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2冠周防監督「受賞はカンマ」/映画大賞

監督賞の周防正行監督(中央)。左はプレゼンターの根岸吉太郎、右は鈴木蘭々
監督賞の周防正行監督(中央)。左はプレゼンターの根岸吉太郎、右は鈴木蘭々

<第20回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞>

 「それでもボクはやってない」で作品賞、監督賞の2冠に輝いた周防正行監督(51)は、11年ぶりの映画を山田洋次、根岸吉太郎両監督から激賞され「うれしかった」と喜んだ。「これ1本で裁判映画を終われない」「受賞はピリオドではなく、カンマ」と語り、作品賞のステージには、主演の加瀬亮(33)と瀬戸朝香(31)が登壇した。

 痴漢えん罪という切り口で刑事裁判制度の現実を突き付けた周防監督は「この作品は映画館で完結するものではなく、映画館を出た後も嫌な気持ちを引きずってほしいと思って作った。受賞はまた多くの人に見てもらうチャンス。うれしいです」と、穏やかな笑顔でスピーチした。

 5年前に痴漢の逆転無罪を報じる新聞記事を読み、裁判の現実に「驚きを感じた」ことが10年ぶりのメガホンの発端だった。デビュー作「変態家族 兄貴の嫁さん」は小津安二郎に、「シコふんじゃった。」は大学相撲に、「Shall we ダンス?」は社交ダンスの世界に。常に「驚き」からスタートする監督は今回も文献を読み込み、関係者を徹底取材し「シナリオ完成までに3年半かかってしまった」。

 ステージでも「留置場と拘置所、裁判所のシーンが」という司会者の説明に間違いがあることを指摘。「この作品では残念ながら拘置所のシーンはない。代用監獄制度といって、留置場で全部過ごすんです」と、細部にデリケートな刑事裁判制度を解説した。探求心は底無しで「これ1本では裁判映画は終われない。受賞は一区切りですが、僕にとってはピリオドではなく、カンマ」。

 受賞ニュースをきっかけにDVDの追加注文が相次いでいることを素直に喜び「1人でも多くの人に見てもらいたいという僕の気持ちはもはや『運動』。オルグですから」と笑った。

 日刊スポーツ新聞社川田員之社長から表彰状を、前年度受賞者の根岸吉太郎監督から表彰盾を受け取り、ガッチリ握手。「いい意味で裏切られた。今までの周防さんと違って、力強い映画だった」と祝福する根岸監督の笑顔に何度も頭を下げた。山田洋次監督には「立派な映画を作られましたね」とねぎらわれた。「映画界の大先輩に認めていただけてうれしかった。きょうはいろんな方に刺激を受けました」と、次の「驚き」に備えている。【梅田恵子】

[2007年12月29日9時56分 紙面から]

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