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小百合感激「母べえ」拍手鳴りやまず

 【ベルリン14日=松田秀彦】ベルリン映画祭コンペティション部門に選出された映画「母べえ」が13日夜(日本時間14日午前)に当地で上映され、山田洋次監督(76)吉永小百合(62)が感激を分かち合った。上映後の拍手が鳴りやまず、2人は作品に込めた思いと願いが伝わった手応えを感じた。各国の映画関係者の評価も高く、この日から欧州をはじめ各国との配給交渉も本格化。国内でヒットを記録中の話題作の感動が世界に広がっていく。

 寄せては返す波のようにいつまでも続く拍手は、作品が世界に向かって歩み始めた足音にも聞こえた。1600人の観客で埋め尽くされたベルリン映画祭メーン劇場。上映を見守った吉永は「感覚的には字幕なしでも気持ちが伝わっているという気がしました」と手応えを感じた。

 国際映画祭の参加は、同じベルリンで93年に主演作「夢の女」(坂東玉三郎監督)のコンペ部門出品以来15年ぶり2度目。坂東監督が欠席したため「ほとんど1人で来たようなものでした。初めてということもあってさみしかった」。今回は山田監督をはじめ、共演した浅野忠信、スタッフが多数出席。レッドカーペットを踏んだ入場セレモニーでは各国カメラマンから「サユリ! サユリ!」のコールを浴び、劇場正面では勢ぞろいした映画祭関係者に迎えられた。

 「心から温かく迎えてくださっているように思えました」。そして賛辞の拍手。「とても幸せな1日でした」と感激しながらも「有頂天にならず、これからも1歩1歩、歩いていかなければいけないと思いました」。舞台あいさつでは感謝の気持ちを込めて「俳優、スタッフが心を1つにした作品をご覧になっていただけてうれしい」とドイツ語でコメントを読み上げた。

 「母べえ」は、日米開戦直前、治安維持法で夫が投獄されながら子供を守り抜く女性の物語。カンヌ、ベネチアと並ぶ世界3大映画祭の中でも社会派作品が多く上映されるベルリンは批評家、観客の目は肥えているが、期間中4度の上映で高い評価を得た。

 会見ではフランス、デンマーク、ブラジル、ロシアの記者が賛辞を贈りながら質問。製作の松竹には海外映画関係者から「従来の戦争映画になかった視点」「時間や国境を超えて伝わるメッセージがある」などの声が寄せられた。

 公式上映後には、欧州各国から配給オファーが続々と届き、本格的な交渉も開始。「できれば世界中で上映してほしい」との吉永の願いがかなう日は遠くなさそうだ。

[2008年2月15日8時13分 紙面から]

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