<フィッシング・ルポ>

 執念の王座奪回だった。「2010日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」船釣りブロック・マダイ部門の静岡・南伊豆地区大会は18日、手石「米(よね)丸」、須崎港「静栄(しずえい)丸」の2地区合同で計20人が参加して行われた。スタート直後からヒットが連発したものの、2時間後には潮がほとんど動かずアタリが止まってしまった。その悪釣況の中、08年覇者の熊谷富夫さん(42=神奈川県藤沢市)が、1・89キロで2年ぶり2度目の優勝を遂げた。

 決戦の会場となったのは水深65~78メートルの中木沖だった。午前6時の開始すぐに「米丸」でヒットが連発した。左舷トモ(船尾)から2番目、松本利章さん(58=埼玉県所沢市)のサオがしなった。タナ(魚の泳層)は海面から58メートル。昨年3位だったこともあって「タナに合わせた瞬間にゴツン、ときた。今回はいいね」と笑顔で同10分、1・29キロ(47センチ)を釣り上げた。

 同37分、左舷ミヨシ(船首)の昨年王者米山安久さん(54=静岡県函南町)が1・08キロ(44センチ)を慎重に取り込んだ。「リールを巻き上げて誘ったら当たった。落ち込みのハリ掛かりと違ってバレやすいパターンなので、ゆっくり巻き上げた」と苦笑いを浮かべた。

 直後の同49分、米山さんの隣に座る後藤祥司さん(52=静岡県沼津市)が1・15キロ(45センチ)を釣った。仕掛けがユラユラと沈んでいく途中でゴツン!

 「米山さんの振ってくれたコマセがきいた。ラッキーです」と照れ笑いを浮かべた。

 ここまでのトップは念願の優勝を目指す松本さん。その夢を08年覇者熊谷さんが打ち砕いた。肥田定佳船長(43)の指示ダナ58メートルの6メートル下からゆっくりとコマセをまいて、置きザオにして数秒後にサオ先が引き込まれた。熊谷さんは「マダイは警戒心が強い。コマセカゴが見えたり、着底させたりすると逃げちゃう。カゴの穴も半分をシールでふさいで、パラパラと少しずつ出るように工夫した」と振り返る。釣れたのは1・89キロ(52センチ)。王座奪回へトップに立った。

 しかし、「米丸」はここでアタリが止まってしまった。潮がトロンと緩くなり、マダイの食いが渋ってきた。7時29分、「静栄丸」左舷トモの駒井佐吉さん(60=静岡県三島市)がヒットさせた。駒井さんの信条は「マダイは持ちザオ」。置きザオでは分からない小さいアタリを手に伝わる感触で察知するという。「これも細い感触だった。置きザオで見ているだけでは見逃してしまう。持ちザオの勝利」と駒井さんは満足そうな表情。キャッチしたのは、熊谷さんに届かなかったが、1・56キロ(49センチ)で2位に割って入った。

 この日の潮温は16・8度だった。乗っ込みに入ってもおかしくないが、まだマダイの活性は渋い。4月にの潮温は13~16度を行ったり来たりのジェットコースター状態。肥田船長は「何度でもいい。同じ潮温で安定してくれたらマダイは釣れるよね。来週以降はいいんじゃないか」と話した。大会翌日19日には石廊崎沖(タナ・70メートル)で5キロの大物が釣れた。南伊豆のマダイはこれから本格化する。

 ◆大会成績(マダイ1匹の重量審査、敬称略)(1)手石「米丸」熊谷富夫

 1・89キロ(52センチ)(2)須崎「静栄丸」駒井佐吉

 1・56キロ(49センチ)(3)「米丸」松本利章

 1・29キロ(47センチ)(4)「米丸」後藤祥司

 1・15キロ(45センチ)(5)「米丸」米山安久

 1・08キロ(44センチ)(6)「米丸」田村博美(42=栃木市)0・93キロ(39センチ)(7)「静栄丸」勢山貴士(35=東京都町田市)0・89キロ(41センチ)(8)「静栄丸」清水貴史(28=神奈川県厚木市)0・67キロ(36センチ)

 ◆船

 日刊スポーツ新聞社指定「米丸」電話 0558・65・1060。集合午前5時。コマセ、エサ、氷付きで1万3650円、要予約。車利用が便利。

 ◆賞

 優勝した熊谷さんには、クリスタルトロフィーとがまかつ提供の高級船ザオ「がま船

 ファインアークLT73ML(1・95メートル)」(3万6000円相当)とカシオ計算機提供の多機能付き電波時計「プロトレックPRW-1500」(4万5000円相当)、マルキユー&日刊スポーツオリジナルライフジャケットなど豪華副賞が贈られた。また、ジャンケン大会で、「米丸」代表の長岡清美さん(62=神奈川県秦野市)が「箱根湯本ホテル」ペア宿泊券を引き当てた。

 〈主催〉日刊スポーツ新聞社、日刊スポーツ新聞社指定・共栄会

 〈協賛〉がまかつ、マルキユー、カシオ計算機、香港政府観光局、デューク、箱根湯本ホテルほか