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高原ビジネスでグアム入り、チームが配慮
- グアムキャンプに出発前、談笑する浦和FW高原
【グアム(米国)11日=栗田成芳】浦和の日本代表FW高原直泰(28=浦和)が、万全調整で3月からのJ開幕とW杯予選に備える。グアムキャンプ入りした11日、航空機で唯一ビジネスクラスを利用した。移動時間は3時間ほどだが、過去に肺動脈血栓塞栓(そくせん)症を2度患ったことから、チーム側が異例の配慮をした。調整不足を考慮され東アジア選手権(17~23日、中国・重慶)出場を免除された日本のエースが、約2週間のキャンプでチームと日本代表の期待にこたえる。
わずか約30分間のランニングにも気を緩めることはなかった。グアム初練習を終えた高原は厳しい表情で「やることをやるだけ。それだけです」。報道陣に短く言うと足早に引き揚げた。約2週間のキャンプで万全に仕上げてみせる。その強い決意の裏返しだった。
日本からの航空便でクラブ側から異例の配慮を受けた。この日は利用客が多く、ビジネスクラスで確保できた席はわずかだった。その席に選手で唯一高原が座った。過去2度も肺動脈血栓塞栓症を患った体を気遣ってもらった。合宿前の移動段階からのチームの細心の計らいに、あらためて気合が入った。
そもそも今回のキャンプは、日本代表の岡田監督の配慮があって実現した。代表のエースとして期待されながら、1月からの3試合すべてに先発して無得点。17日からの東アジア選手権を特別免除され、クラブでの調整を許した。「チームで一緒にやれるのは、ありがたいですね」(高原)。代表とクラブの配慮に、結果で応える決意だった。
グアムは気持ちをリセットする格好の場所でもあった。02年4月に最初の肺動脈血栓塞栓症を発症。目前に迫っていたW杯日韓大会のメンバーから外れた。その直後、02年大会が始まってもいないのに「4年後のドイツW杯出場を目指したい」と、気持ち新たに再始動したのがグアムだった。
1月9日に6年間生活したドイツから帰国。体調を整える間もなく日本代表合宿に合流し、急ピッチで調整するしかなかった。私生活でも新居も決まらず、ホテル暮らしと落ち着ける状況ではない。3月8日にはJ開幕、同26日にはW杯3次予選バーレーン戦を控える。本当の意味でこの2週間の調整が高原にとって勝負になる。
[2008年2月12日9時38分 紙面から]
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