長谷部がミラン戦で代表定着アピール

ＦＷワシントン（左）とエンゲルス・コーチの後ろで黙々と走るＭＦ長谷部

　ミラン戦で代表定着アピールだ！　岡田武史新監督（５１）率いる日本代表候補３３人が、１１日発表され、浦和ＭＦ長谷部誠（２３）が、昨年１１月１５日のサウジアラビア戦以来、約１年１カ月ぶりの返り咲きを果たした。セリエＡシエナ移籍が確実となっており、明日１３日のクラブＷ杯準決勝のＡＣミラン戦でイタリアに、岡田監督に実力を見せつける。

　クラブＷ杯初勝利から一夜明けたこの日、長谷部に「吉報」が届いた。新幹線で名古屋－大宮間を移動途中で代表入りを知ると、さいたま市内での練習も笑顔が絶えない。明るい雰囲気でランニングを続けた。しかし前夜のセパハン戦で前半３０分の最初の決定機を外した悔しさが残るだけに「あのシュートを外して、よく選んでくれたと思います。びっくりしています」と照れ笑いを浮かべ、謙虚な姿勢に徹した。

　昨年１１月のサウジアラビア戦以来、約１年１カ月ぶりの代表復帰だ。今季開幕前の右ひざ腸脛（ちょうけい）じん帯炎症で出遅れた。不調が続き、序盤は浦和で先発落ちも経験。代表から遠ざかったが、復調した８月以降は持ち味の長い距離を走る縦突破、得点に絡むゴール前への飛び出しで浦和のアジア制覇に貢献。文句なしの復帰だが「まだ自分で納得するプレーはない。もっとやれる。そうなれば代表に入り続けることができる。最初からしっかりやりたい」。ジーコ、オシム両体制で実現できなかった代表定着を掲げた。

　岡田監督への最高のアピール機会となる明日１３日のＡＣミラン戦には、特別な感情を抱く。来年１月からセリエＡシエナ移籍が確実となり、代理人もシエナ側との細部の交渉を詰めている段階。長谷部は「ミラン戦は誰が見ているか分からないし、いろいろな国で放送される。アピールの場。どれだけできるかが楽しみ」とイタリアの強豪との激突に胸を躍らせた。

　今年の年間最優秀選手（バロンドール）に輝いたカカとの司令塔対決にも燃えている。「同じピッチで体感できることが楽しみ。得点もアシストもできるすごい選手。自分も得点したい」。岡田監督の判断で再び高い評価を受けた長谷部。一部で「和製カカ」とも言われるＭＦが岡田ジャパン定着＆世界アピールのために欧州王者との真剣勝負に挑む。【藤中栄二】

［2007年12月12日9時8分　紙面から］

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