闘莉王無念の途中交代/クラブW杯
- 浦和対ACミラン 後半、負傷し担架で運ばれるDF闘莉王(撮影・鹿野芳博)
<クラブW杯:ACミラン(イタリア)1-0浦和>◇13日◇横浜◇準決勝
DF闘莉王が左太もも裏の負傷で、大舞台に立ち続ける権利を奪われた。後半28分、相手DFヤンクロフスキの突破をタックルで止めた瞬間、左太もも裏に激痛が走る。ベンチの医療スタッフを呼び寄せ、ドクターが1度は続行可能のサインを送り、ピッチ脇で治療を続けた。だが立ち上がった闘莉王はもう走ることはできなかった。「オレの勘違いかと思って立ったけど、やっぱり無理だった。これから攻撃に行こうと思って楽しみにしてたのに…」と唇をかんだ。
精密検査は受けていないが、軽傷では済まなさそうだ。負傷の瞬間に本人は「(筋肉が)切れた」と感じており、肉離れの可能性がある。肉離れは過去に何度も繰り返し、数週間単位で離脱している。今季は代表やACLなど過密日程を戦っている中、故障による1カ月前後の離脱が5回。楽観視できない状況だ。
これで岡田ジャパンの始動となる18日から1泊2日の代表候補合宿は、練習参加が難しくなった。仮に今回も1カ月近い離脱を強いられれば、来年1月15日からの代表合宿、2月のW杯予選に向けて出遅れとなる可能性も。闘莉王が不在となれば、代表チームづくり全体にも影響しそうだ。
この日のミラン戦では、闘莉王は最も世界に近い男であることを示した。「怖いイメージはなかった。自分たちの守備が通用することが分かった」。ゴール前の空中戦では相手DFネスタやFWジラルディーノと互角に競り合った。後半20分には永井へ絶妙なスルーパスを通すなど、攻守に輝いた。それだけに負傷だけが恨めしい。
「終わっちゃったよ、トヨタ杯(クラブW杯)」。試合後、左足を地面に着けずに、飛び跳ねながらサポーターの待つスタンドへあいさつに行く姿が、痛々しかった。
[2007年12月14日9時14分 紙面から]
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