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千葉ＭＦ水野がセルティック移籍決定的に

水野のセルティック移籍を伝える地元紙
水野のセルティック移籍を伝える地元紙

　【グラスゴー（英国）８日＝アンソニー・マッカスカー通信員】日本代表候補でＵ－２３（２３歳以下）日本代表のＭＦ水野晃樹（２２＝千葉）がスコットランドリーグ１部セルティックに移籍することが８日、決定的になった。セルティック関係者がクラブ間で合意に達したことを明かした。水野側も千葉から移籍することを明言しており、早ければ今日９日にも渡英し、メディカルチェックを受ける。厳格な同国の労働ビザ取得をクリアできれば、移籍が実現する。同クラブにはＭＦ中村俊輔も所属しており、高い技術と鋭いＦＫを併せ持つ水野は「中村２世」と高く評価されている。

　水野が「ポスト俊輔」として、名門セルティックの目に留まった。五輪代表ではレギュラーとして北京切符を獲得し、昨年は日本代表でもデビューし、国際Ａマッチ４試合に出場。中村に匹敵する才能の持ち主として、水面下で交渉が着々と進んだ。８日付の英紙デーリーレコードは移籍合意を大々的に報じ、セルティック関係者もクラブ間で合意したことを認めた。早ければ今日９日にも渡英し、メディカルチェックなどを受ける予定だ。

　水野は８日、都内で千葉の同僚ＭＦ羽生の結婚式に出席。報道陣には「まだ決まっていないので何とも言えない。代理人に任せているので。俊輔との競演？　それも決まってからじゃないと…」と言葉を濁したが、式中には仲間に欧州挑戦の意向を伝えるなど、すでに決意を固めている。

　千葉で４季プレー。オシム監督に才能を開花され、日本代表へ駆け上がった。しかし、千葉は昨年１２月にアマル監督を解任し、オシム体制からの脱却を発表。この行動がクラブへの不信感となった。浦和から獲得オファーが届いたが、欧州挑戦の意志を固めていたため断った。欧州チャンピオンズリーグ（ＣＬ）でのプレーを夢見て、そして北京五輪で輝くため、中村のいるセルティック移籍に絞った。

　同じマネジメント事務所に所属する中村とは、帰国の際にはいつも食事を共にし、兄弟のように接してきた。尊敬する「兄」の言葉に耳を傾け、欧州への思いを膨らませた。水野の関係者は「契約は進んでいる。千葉との契約が切れるので、移籍金はかからない。ビザの問題はあるが、特別枠もあるので」と話した。

　英国の労働ビザ取得には、原則として契約前の２年間にＡ代表として７５パーセント試合に出場していなければならないという条件がある。かつてプレミアリーグ移籍を狙った宮本、三都主も基準を満たさず、契約寸前でビザが下りずに断念した過去がある。だが現在は通常枠とは別に「エクセプショナルタレント枠」という才能豊かな人物に対し、ビザを発給する制度もある。昨オフにマンチェスターＵ入りしたブラジルＵ－２０代表ＭＦアンデルソンもこの特別枠でビザを取得。アジア人では前例がないが、セルティック側は「水野の若さと能力なら問題ない」と自信を持っている。名門として政治力もあり、英内務省が今日９日にも労働許可証を発行する運びだという。

　英国の地元メディアは今回の水野加入は、中村移籍につながるものではないと断言。中村は残留し、水野がスコットランドで順応するための手助けをするだろうという。２月２０日、欧州ＣＬのバルセロナ戦で中村とともに水野が並び立つ可能性が出てきた。

［2008年1月9日9時29分　紙面から］

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