<女子ゴルフ:フジサンケイレディス>◇最終日◇25日◇静岡・川奈ホテルGC富士C(6464ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)
服部真夕(22=INAX)が、師匠・岡本綾子(59)の言葉を支えに、2季ぶりのツアー2勝目を飾った。首位タイから出てハーフ終了で5打リードも、15番でダブルボギーをたたく嫌な展開に。岡本から「やってきたことは間違いじゃない」と言われたことを思い出し、残り3ホールをパーでしのいで73、通算7アンダーの209で逃げ切った。実は師匠と「ダブルボギー+オーバーパーのラウンドで罰金」と約束しており、「罰金V」になったが、「女王学」はしっかり受け継がれているようだ。
最終18番で50センチのウイニングパットを沈めると、服部はこわばっていた表情を緩ませ、右拳を力強く振った。「ドキドキしながらでしたけど、勝てて良かった。本当にホッとしています」。若林らから「ヨナ!」と声をかけられ、シャイな性格に似つかない、ボンドガールのポーズまで披露した。
息詰まる展開だった。4打リードで迎えた15番の第2打で川奈名物の風が試練を与えた。引っかけ気味に出た球が、強風で左に流され、痛恨のOB。ダブルボギーとし、2位の藤本と1打差に縮まった。
苦境で、心の支えになったのは師匠・岡本の一言。「やってきたことは、間違ってない」。今季序盤5戦で予選落ち3度と、焦る中でもらった言葉だった。「新たに緊張感が生まれて、気を引き締められた。守ろうとは思わなかった」。ショットはピンを狙い続け、パットでは強気を最後まで貫き、難しい終盤3ホールをパーで乗り切った。
優勝の喜びの後、師匠の厳しさにも直面した。スコアカード提出の際に気付いた。「罰金だ…」。ダブルボギー+オーバーパーのラウンドの時、「値段は非公表」という罰金を科せられている。09年8月CATレディスから「活を入れるため」始まった制度だ。また、アヤコ流「女王学」により、プロキャディーの帯同は禁止。「自分で判断してプレーするため」で、アルバイトのキャディーにバッグを預け、コースマネジメント力を養っている。
「全部プラスになる。岡本さんがいなかったら、今の自分はない」。岡本から贈られたパワーストーンの数珠を左手首につけるのも、精神的な安定につながっているようだ。「罰金」以外の賞金の使い道は、6月に出産予定の姉有華(ゆうか)さんにベビー用品を贈ること。「アヤコ2世」は、「次は罰金なしで優勝したい」とはにかんだ。【阿部健吾】

