<男子ゴルフ:VanaH杯KBCオーガスタ>◇3日目◇28日◇福岡・芥屋GC(7146ヤード、パー72)◇賞金総額1億1000万円(優勝2200万円)

 プロ6年目の上井邦浩(27=三好CC)が、今大会2度目のホールインワンを決めて、初優勝に王手をかけた。初日と同じ8番パー3(165ヤード)で達成。67で回って通算17アンダーの199で単独首位に浮上した。同一年同一大会同一ホールでのエースは史上初めて。プロ野球・阪神久保康生投手コーチ(52)の娘婿が、快挙で勢いづいた。

 ピン手前に落ちた球が、スルスルとカップに吸い込まれた。2日前に人生初のホールインワンを決めた8番で、上井がまたも奇跡を起こした。初日は観客も十数人と少なかったが、この日は石川と同じ最終組で1000人近いファンに囲まれ、大歓声も浴びた。「入るもんなんですね。帰りの飛行機が落ちないことを祈りますよ」。同一年同一大会同一ホールでの複数エースは史上初の快挙。この勢いに乗って単独首位にも浮上し、満面の笑みがこぼれた。

 ピン位置は初日より3ヤード手前で1ヤード右だったが、ほぼ同じ右サイド。風も考えて8番アイアンで軽めに打ったが、実は「当たりが悪かった」という。それでも「行ってくれ」と念じてグリーンまで届くと、1バウンド目もピンに向かった。「うまく跳ねてくれたけど、まさか入ると思わなかった。それまで、ショットが散っていて苦しかった。あのホールインワンで気持ちが楽になった」。後半インで伸び悩んだ石川を尻目に、13番から3バーディーを奪取。奇跡の勢いで、ツアー初優勝に王手をかけた。

 ハイタッチで祝福された石川からは「今週は上井さんが勝つんじゃないですか」と言われた後「それを止められるように僕も頑張りますよ」と“挑戦状”をもらった。石川が58で大逆転優勝した5月中日クラウンズでは、2日目を終えて首位に立ちながら5位に敗れた苦い思い出がある。「あのときは気持ちが前に行き過ぎた」と反省。今回は「平常心で回っていればいつかはチャンスが来る」と冷静だ。

 07年に結婚した友香理夫人(25)は、阪神久保投手コーチの長女。今大会前は長男翔太くん(1)と一緒に会場を訪れていたが、既に帰宅したため、前夜は今週初めて繁華街の中洲へ出掛け、すしを食べた。「早めに帰りましたよ」とネオン街には長居せず、この日に備えていた。最終18番の第1打では石川を10ヤード引き離し、330ヤード付近まで飛ばした豪打の持ち主。今度こそ、Vチャンスは逃さない。【木村有三】