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為末が北京へ格闘技特訓で鍛え直す
- そりを引いてトラックを走る為末(撮影・佐藤智徳)
05年陸上世界選手権男子400メートル障害銅メダルの為末大(29=APF)が、北京五輪に向けて格闘技特訓で鍛え直す。為末は20日、東京・上柚木公園陸上競技場で冬季練習を公開した。今夏の大阪世界選手権で惨敗した反省から、体の中心部分の筋肉を鍛える一環として空手を導入。レスリングのダミー人形も購入した。侍ハードラーが「武道」も極めて、巻き返しを図る。
大阪の屈辱をバネに、為末は新たな道に取り組んでいた。為末はミニハードル、約7・5キロのそりを引いて走る前、必ず剛柔流空手サンチンの基本構えで足腰の筋肉を締め、腹部の中心、丹田(たんでん)に気を集めた。
1次予選で敗退した世界選手権の敗因を分析した結果「体のコアな部分の筋肉を鍛え直すことが必要と感じた」。侍ハードラーが最も効果的と思えたのが、空手の構えだ。今後、本格的に空手のけいこを冬季トレーニング期間中に導入する予定。また日本刀の居合斬(ぎ)り挑戦も計画している。
また既にレスリング、総合格闘技の練習で使用するダミー人形を、抱え上げて投げる練習を続けている。この日披露したメディシンボール(約5キロ)を振り回す特訓と同じように、ダミーを豪快に投げ飛ばし、体幹のパワー増強を図る。
専属コーチをつけない為末は、昨季もハードルを封印するなど自ら練習方法を考案してきた。異色の「格闘技トレ」も、復活への努力の一環。「速くなるなら、どんな練習でもパクる」。マシンを使ったウエートトレーニングは封印する。コーチをつけず挫折、不振を乗り越えて01、05年世界選手権で2度の銅メダルを獲得した。悪夢の大阪から「競技人生」の集大成とする北京で、復活の夢を再現する。
[2007年11月21日8時43分 紙面から]
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