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魁皇勝ち越しても引退/九州場所

白鵬に突き落とされ6敗目を喫した魁皇は、土俵上でガックリ(撮影・岡本肇)
白鵬に突き落とされ6敗目を喫した魁皇は、土俵上でガックリ(撮影・岡本肇)

<大相撲九州場所>◇13日目◇23日◇福岡国際センター

 大関魁皇(35=友綱)が、今場所限りで引退することが23日、明らかになった。地元の福岡・直方市後援会の幹部が明かした。勝ち越しがかかったこの日は、横綱白鵬(22)に突き落とされ、7勝6敗とした。仮に残り2日の間に勝ち越してかど番を脱出しても、千秋楽まで取り切って20年の土俵人生に別れを告げる。大関千代大海(31)は幕尻の東前頭16枚目把瑠都(23)との2敗対決を制し、14日目はやはり2敗をキープした横綱白鵬と対決する。

 魁皇が、わずかに残った気力を振り絞って、最後の2番に臨む。左太もも裏痛に苦しむなど、満身創痍(そうい)の体にムチを入れ、気力だけで13日目まできた。大関として優勝争いに絡めず、役割を果たせなくても、相撲への愛着が支えになっていた。その愛情が執着に変わる前に、キッパリ辞める決意を固めた。

 地元後援者は「たとえ勝ち越しても大関は今場所を最後に引退すると聞いています。千秋楽の翌日には、こっち(直方市)に戻って、引退あいさつをすると思います。我々も心の準備はしています」と証言した。実は今月7日、地元・直方激励会で、魁皇は応援してくれた恩人たちに決意を伝えていた。

 この日、勝ち越しを懸けて挑んだ白鵬戦で、踏み込みが浅く、力負けした。「まっすぐ当たったと思いましたけどね、押し込まれて何にもできなかった」と振り返った。横綱相手とはいえ、かつてのパワーは影を潜めた。代名詞だった力強い右上手投げも、今場所は1度も試みていない。

 友綱親方(元関脇魁輝)は「引退を相談されたことはないよ」と、今場所限りの引退を否定した。魁皇も打ち出し後、福岡・粕屋郡の部屋に戻り、引退に関する質問には「今場所がまだ終わってないし、今は相撲に専念するだけです」と明言は避けた。まだ付け人にも「引退」の2文字を告げていないが、長年支えてくれた何人かには本音を伝えている。

 88年春場所入門の同期・貴乃花、若乃花、曙らが第2の人生を歩む中、遅咲きの大関は来月から、部屋付きの親方として指導者の道に進む。外国人や学生相撲出身者が多い今、魁皇は15歳から砂をかみ、はいつくばりながら今の地位を築き上げた。「オレらの時代はけいこ場で倒れる寸前までけいこして満足感があった。古き良きものを守りたいね」と話したことがある。平成を代表する大関が、たたき上げの日本人横綱を育てる日も、そう遠くはない。

[2007年11月24日9時5分 紙面から]

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