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死亡斉藤さんの父が相撲協会を提訴も

伊勢ノ海理事(中央)九重理事(右)に相撲界の改善を促す松浪副大臣
伊勢ノ海理事(中央)九重理事(右)に相撲界の改善を促す松浪副大臣

 大相撲の時津風部屋新弟子傷害致死事件で、死亡した序ノ口力士、時太山(当時17、本名斉藤俊さん)の父正人さん(51)が、日本相撲協会を民事提訴する可能性を示した。8日、都内で記者会見し、事件の法的な責任を協会側に問い、損害賠償を求めていくことを明らかにした。また、7日に傷害致死容疑で捜査当局に逮捕された先代時津風親方の山本順一容疑者(57=元小結双津竜)と兄弟子3人については、取り調べで真実を供述することを強く求めた。

 事件の責任は日本相撲協会にもある。遺族側の姿勢は明確だった。山本容疑者と兄弟子3人の逮捕から一夜明けたこの日、父正人さんが記者会見に臨み、同席した担当弁護士が「逮捕された元親方(山本容疑者)らだけでなく、協会の考えも聞いてみたい。協会には監督責任がありますから」と、同協会に対しての損害賠償請求の姿勢を示した。

 問題が立件されたからこその態度表明だった。実は昨年末から年明けにかけて、山本容疑者側が示談を求めてきたという。しかし、対応はしなかった。「立件されてない段階で刑事訴訟も始まっていないのに、とても考えられなかった」と正人さん。そしてこの日、担当弁護士らと今後の対応を協議し、逮捕された4容疑者に加え、協会側に対しても法的な手続きに入ることを決めた。

 きっかけは、北の湖理事長(元横綱)の発言だった。担当弁護士によると、昨年10月12日、理事長と伊勢ノ海理事(元関脇藤ノ川)が新潟市の斉藤さんの実家を謝罪で訪れた際、理事長は遺族に向けて「協会にも責任はあります」と明言したという。「まずは、その言葉がどのような意味を持つのか確認したい。それが法的なものなのかどうか」。

 協会側との交渉の時期、損害賠償額は明言しなかったが、4容疑者が起訴された場合は、対応を早めることは確実だ。仮に誠意ある回答がない場合について、担当弁護士は「再確認して、提訴もあり得ます」と明言。日本相撲協会広報室によると、これまで協会側が損害賠償請求に応じた例は確認されていないが、世論の目も厳しい今回ばかりは、遺族側と正面から向き合うことになりそうだ。

 また、正人さんはこれまで抱いた協会側への不安感も口にした。「相手が大きいもんだから、もみ消されるのではという不安がすごかった。親方が絶対の世界とはいえ、(兄弟子たちも)24、25歳なのでちょっと考えれば、こんなことにはならなかった。俊の死で(相撲界が)少しでも変わっていけばいい」。その上で否認を続ける山本容疑者については「傷害致死容疑での起訴を願っています。本当のことを言って、真実を明かしてほしい」と強く求めた。

 愛息を失って7カ月半。遺骨は自宅に置かれたままという。その理由を正人さんは「逮捕で(息子も)少しは気が晴れたとは思うけど、これからの裁判でもっと厳しいことが出てくるかもしれないので力を貸してほしい。それに『(斉藤家の)お墓に1人で入れるのは』かわいそうだから」と説明した。4容疑者と協会との反省と誠意を求める闘いは、まだ始まったばかりだ。【柳田通斉】

[2008年2月9日8時58分 紙面から]

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