<全国高校野球選手権:三重5-4広陵>◇13日◇1回戦

 三重は2点を追う9回に追い付き、延長11回サヨナラで広陵(広島)を下した。

 内弁慶をついに返上した。延長11回2死満塁で、三重・宇都宮東真内野手(3年)が5球目を見極めて四球。3季連続出場ながら12年春以来3大会ぶりにつかんだ甲子園1勝は、押し出しのサヨナラ勝ち。「一塁に行くのを忘れるくらい、跳びはねました。一塁コーチャーに『一塁まで来いよ!』と言われて慌てて走りました」と声を弾ませた。

 広陵とは縁があった。昨年の甲子園。怪物右腕・安楽に、春は広陵が、夏は三重が初戦で敗れた。三重最後の打者が現主将の長野。「全国で三重は勝てないと言われるのが本当に悔しかった」。3季連続出場ながら、初戦敗退が続いていた。4月に就任した中村好治監督(60)は、選手の無念をくんでいた。着任後、新監督は守りを鍛える一方、3カ所で行うフリー打撃の際、ボールストライクを見極める目を養うために選手に球審をさせた。

 9回、バッテリーに惜しみなく代走、代打を出し、佐田の適時打で同点。延長10回から公式戦初の捕手に入った西岡は救援の森を好リード。「甲子園で勝てて捕手までやれた。こんなうれしいことはありません」と西岡は笑った。選球の練習は、サヨナラ押し出しで生きた。夏は09年以来の勝利。「涙が出そうでした」と中村監督は就任1勝をかみしめた。【堀まどか】

 ◆サヨナラ四球

 夏の甲子園では07年に東福岡が桜井戦の11回裏、無死満塁から四球を選んで以来7年ぶり。過去には73年銚子商が雨中の12回裏に江川(作新学院)から、97年には石川(秋田商、現ヤクルト)が和田(浜田、現カブス)から選んだ例などがある。