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野茂メジャー復帰へ強い意欲
- 野茂トルネードの独特の伸びのワインドアップも戻っている(撮影・南沢哲也)
【カラカス(ベネズエラ)14日(日本時間15日)=南沢哲也】「もう1度、メジャーで投げたい」。ベネズエラのウインターリーグに参加している野茂英雄投手(39=カラカス)が、通算123勝を挙げているメジャー復帰へ強い意欲をみせた。野茂は、18日(同19日)のアンソアテギ戦での復帰先発に向け調整している。球場施設や治安も悪い環境の中で、まずはメジャーキャンプへの招待を目標に、黙々と投げ込む情熱は失われていない。
標高1000メートル近い高地、日中は気温30度を超す暑さになる。首都カラカスのブルペンで、トルネードも熱い思いを胸に調整を続けていた。直球の伸びや制球は、まだ調整の段階だ。だが、フォークボールはよく落ちる。カーブの制球も良くなっていた。
施設の環境は決して良くない。治安も悪い。リスクを冒しても、ベネズエラへと野茂を突き動かしたのはメジャー復帰への意志だ。
「もう1度メジャーで投げたい。そのために今まで我慢してリハビリとトレーニングをやってきましたからね。メジャーで投げたい、ワールドシリーズで投げてみたい」。珍しいくらいにきっぱりと言った。
驚くほど率直にも話した。「正直、素質だけでやっていたころに比べたら、力が衰えたことも、自分では分かっています。あのころのレベルと今では力の差もあるでしょう。でも、今はその差を埋める技術を勉強しているところだ、と考えています。それもできる、と。ここを通らないと、いつか、若い人にもアドバイスすることも、できないと思いますから」。
精神的な強さは、昔よりたくましくなっていた。
昨年は、ほぼ1年間、球を投げられなかった。「そんなにひじは痛かったのか」の問いに「投げること自体ができなかったですから」と笑った。ベネズエラでも思うようには実戦練習を積んでいない。リハビリ中で1イニングの球数が制限され、超えると代えられた。左足ふくらはぎに軽い肉離れもおこした。
「全然投げ足りない(笑い)。今は、調子はいい。早く中4日で投げたい」と言った。
来春のメジャーキャンプ招待を狙う。「まだ、なんとも分かりません」というが、条件さえ選ばなければ可能とみられる。あとは、そのチームの先発投手陣の編成をみながら、チャンスをつかめるか。厳しい現実と向かい合いながら、野茂の長い挑戦が続く。
[2007年12月16日9時14分 紙面から]
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