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福盛1回0封、絶賛の1安打11球デビュー
- ベンチでナインとハイタッチする福盛(撮影・加藤哉)
<オープン戦:エンゼルス3-3レンジャーズ>◇28日(日本時間29日)◇アリゾナ州テンピ
【テンピ(米アリゾナ州)2月28日(日本時間同29日)=四竈衛】レンジャーズ福盛和男投手(31)が、上々の「メジャーデビュー」を飾った。エンゼルスとのオープン戦で、1点をリードした6回裏から初登板。1回を1安打無失点とわずか11球で料理し、危なげない投球を披露した。右ヒジ痛で離脱した昨年7月以来の対外試合ながらも、「実戦向き」の投球術で首脳陣に存在感をアピールした。次回2日(同3日)のロイヤルズ戦に登板する予定だ。
「メジャー」のマウンドを初めて踏みしめる感慨も、8カ月ぶりとなる対外試合のブランクも感じさせなかった。ブルペンから走り出た福盛は、心静かに出番を迎えた。シンプルな言葉でしか言い表せないほど、気持ちは新鮮だった。
福盛「落ち着くことだけを考えてました。緊張感もなかったです。相手(打者)が分からないし、捕手のミットだけをめがけて投げました」。
その一方で、打者に対しては熟練した投球を披露した。先頭のロドリゲスには、外角低めから入り、内角低め、高め、そして最後は内角へのツーシーム(シュート)でバットをへし折った。右打者を打ち取る手本のような、巧みな配球だった。2死後、内野安打を許したものの、後続をフォークで打ち取り、わずか11球で初登板を終えた。
時速150キロを超える快速球でねじ伏せるわけではなく、三振の山を築くわけでもない。だが、打者心理を読み、打ち気の状況で微妙に球を変化させる投球術は、これまでの日本人メジャー投手でも珍しいタイプ。
福盛「甘いところで(球を)動かすのがボクの持ち味。今日はシンに当てられたのもなかったし、狙い通りでした」。
登板前からメルヒューズ捕手と入念に打ち合わせを繰り返した。ツーシームとフォークの使い方を伝え、ボール先行でも変化球を投げる「日本流」のスタイルで3つのアウトを奪った。
試合後のワシントン監督も、真っ先に福盛の投球について口を開いた。「初登板だったが、コンスタントにストライクゾーンに投げていた。制球がすばらしいし、フォークもいい。状態は良さそうだね」。注文をつける余地もなかった。
故障明けで、慣れない異国の環境。戸惑うことも少なくない。だが、今キャンプには家族が同行。日本とほぼ変わらない食生活に加え、毎朝、妻英恵さん(31)、長男大和君(2)に見送られてグラウンドへ向かうなど、心身ともに充実した状態で練習に集中している。「まだオープン戦。抑えて自信を付けていかないといけませんからね」。確かな手応えを感じても、口元を引き締めることは忘れなかった。
[2008年3月1日8時58分 紙面から]
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