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ヤクルト由規は家族と涙の独り立ち
- 家族に別れを告げる佐藤由(右)。車中で母美也さん(左)は必死に涙をこらえていた。中央は兄史規さん(撮影・鈴木豊)
高校生ドラフト1巡目入団の“ビッグ3”ヤクルトの佐藤由規投手(18=仙台育英)、日本ハムの中田翔外野手(18=大阪桐蔭)、ロッテの唐川侑己投手(18=成田)が8日、そろって入寮、プロとしての第1歩をしるした。ヤクルト由規は家族と涙ながらの別れで独り立ち。超高校級とはいえ、そこは18歳の若者、ああ、それぞれの旅立ち-。
まさに、涙、涙の別れだ。「泣き虫王子」由規が、この日、埼玉の戸田寮へ入寮したが「昨日泣いたので…」と、前日最愛の家族との別れを惜しんで涙にくれたことを明かした。これまで実家暮らしで、家族と離れて生活するのははじめて。生まれ育った故郷を出発する際、祖母へあいさつしたときにも涙したという。
午前11時半に、両親と兄弟と一緒に家族5人で寮へ到着した。6畳1間の部屋の整理は、家族水入らずで約5時間掛けて行った。寄せ書き入りの色紙をサプライズでプレゼントされ、家族が地元仙台へ帰る直前は感極まった。号泣する家族と熱い抱擁を交わした王子は「あれがうち(佐藤家)のカラーです」。目を潤ませながらも、最後は何とかこらえて見送った。「独り立ちできるように。(目に)きてましたけど(涙は)こらえました」と、封印した。
泣いてばかりもいられない。「(高田)監督の話にもあったように、勝って泣くというのを自分でも決めています」。1日でも早く1軍での白星とうれし涙を家族へ届けるため、5年間使っているという枕を部屋に持ち込んだが、もう涙でぬらすつもりはない。
昨年12月の入団発表で、初めて見て圧倒された東京タワーより有名になることが目標だ。映画やドラマで家族愛をテーマに多くの人々の涙を誘った「東京タワー」のような、泣き虫王子・由規の感動ストーリーが、独り立ちから幕を開けた。【松本俊】
[2008年1月9日9時43分 紙面から]
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