◇6月25日◇山梨・富士北麓球場ほか◇準決勝、決勝、代表決定戦

世田谷西が決勝で取手を延長11回(タイブレーク含む)の激戦の末、7―6で下し、6年ぶり3度目の優勝を果たした。3位は静岡裾野、中本牧。ベスト8以上と代表決定戦に勝った4チームを合わせて12チームが8月1~5日の日本選手権出場を決めた。

【日本選手権V候補2チーム1歩も譲らず】

ともに準決勝で逆転サヨナラ勝ちを演じて勝ち上がった世田谷西と取手。決勝戦はダブルヘッダーにもかかわらず、疲れも見せず、力を出し合った。

初回、取手が相手のミスから無安打で先制。世田谷西は2回に7番延末の適時二塁打で追いつき、3回には大宝の左前打から坂本、遠嶋の3連打で2点勝ち越した。取手は4回、高野の内野安打から、白仁田、石田の適時打で追いついた。

「接戦にしないと勝てない」と、取手・石崎学監督が話していた展開。ともに好機を逃し延長戦に。8回表、世田谷西が1死一、二塁も、取手は6回からリリーフした赤津が2者連続三振で切り抜ける。その裏、取手は荒井優聖(ゆうき)主将の二塁打から無死満塁としたが、2つの内野ゴロで本封された。

延長9回で決着がつかず、1死満塁からのタイブレークに。10回は2得点ずつで11回へ。世田谷西が相手のミスもあって2点を奪った。その裏、取手は1点返した後、併殺で熱戦にピリオドが打たれた。

「中学生らしい、いい試合をやってくれた」と世田谷西・吉田昌弘監督が言えば、取手・石崎監督は「8回にサヨナラしないと…。でも相手は世田谷西さんですし、スクイズやるのもどうかと…」と振り返った。普段親交がある両チームならではの戦いでもあった。

日本選手権でもともに優勝候補となる。吉田監督は「3年生に意地が出てきている。緊張感に負けず、楽しんでやってもらいたい」と話した。石崎監督は「朝来、赤津に、故障していた石井が頑張って投手3人になりました。春(選抜大会優勝)夏連覇の権利があるのはうちだけなので」と、意欲を見せていた。

 

▽準決勝

取手3―2中本牧

世田谷西4―3静岡裾野

▽決勝

世田谷西7―6取手

▽代表決定戦

練馬北4―1横浜青葉

江戸川中央4―1佐野

東練馬6―1東京日野

竜ケ崎8―7千葉西

日本選手権出場チーム関東12代表決定→世田谷西、取手、中本牧、静岡裾野、千葉市、戸塚、栃木下野、浦和、東練馬、竜ケ崎、江戸川中央、練馬北

◆表彰選手◆

最優秀選手 安藤丈二(世田谷西)

敢闘賞 朝来友翔(取手)

優秀選手 遠嶋康大(世田谷西)小林鉄三郎(中本牧)伊東漣(静岡裾野)

ベストナイン 投・石井翔(取手)捕・杉山育夢(静岡裾野)一・岡田武大(世田谷西)二・塚本悠希(取手)三・海澤海人(世田谷西)遊・藤川倖生(取手)外・若杉一惺(中本牧)森田竜平(世田谷西)坂本将平(世田谷西)

 

【中本牧「1球の怖さ」】

準決勝で取手を7回2死までリードしながら、逆転サヨナラ負けした。0―1の5回、先頭の浅沼慈道主将の中前打から河内の左前打、田中の2点適時打で逆転した。7回裏、2死満塁から逆転打を浴びた。「1球の怖さ、子供たちにとっては最高の体験だったと思う」と村上林吉監督。浅沼主将は捕手として「(最後は)少し逃げたかな」といい「投手の体力、メンタル面をもう1度鍛えたい」と前を向いた。

【静岡裾野 全国へ手応えも】

準決勝で世田谷西を2点リードしながら最終7回に3点を失い逆転サヨナラ負けした。佐藤裕徳監督は「けが人が多くて低迷していたが、代わりの選手が伸びてきた。楽しみです」。捕手の杉山育夢(はぐむ)主将は「いい雰囲気でやれたが、最後の最後で自分の(リードに)弱さが出た。緊張した場面でいつものプレーができないと勝てない」と振り返った。

【8チームコメント】

千葉市・吉岡蓮主将(ノーシードから健闘)「打線のつながりも良かったが、準々決勝(中本牧戦)で抑え込まれたのが悔しかった」

戸塚・吉島良紀監督(準々決勝で取手に敗れたが)「投手陣の成長と底上げができた。特に山口の急成長には目を見張るものがあった」

栃木下野・秋山和久監督(3年生6人、支部春季大会2回戦敗退から巻き返し)「よく頑張ったと褒めてあげたい。エース古谷野以外に試合を任せられる投手が出てくるかが課題」

浦和・品田聡一監督(横浜青葉に競り勝ち全国切符獲得も世田谷西に大敗)「2人、3人目の先発投手の必要性を痛感した」