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第15回米国大会

「優等生」ロマーリオの大会


 悲壮感を漂わせながら決勝で散ったイタリアFWのR・バッジオに対し、ブラジルFWロマーリオは破天荒な言動で94年米国大会の主役だった。

 大会前から「オレがいなければブラジルは勝てない」と公言。一方、キャンプインの際には「オレは疲れている。休ませろ」と発言し、米国入りの際にも飛行機の座席の件で「自分は窓側が好き。気の合ったヤツと座りたい。ミューレルとベベットに挟まれるのは嫌だ」とダダをこねた。

 チームはロマーリオの発言などもあり、常に空中分解する危険をはらんでいた。大会に入っても主将だったライーの不調、レオナルドの退場など数々の問題がぼっ発。しかし、ロマーリオは大会に入ると「優等生」に変身した。1次リーグでは3戦連続ゴール。決勝トーナメントに入っても準々決勝オランダ戦で先制弾、準決勝スウェーデン戦で決勝弾を決めた。決勝のイタリア戦ではバレージのマークに無得点に終わった。それでもR・バッジオらとともにランク3位の5得点を挙げ、大会MVPを獲得した。

 大会前、過去の大会で主役になった86年マラドーナや90年スキラッチを例に出され、練習の大切さを説かれて懸命に体づくりを行った。また、5月に国民的英雄、F1のアイルトン・セナが事故死。手向けのVに向かって「優等生」となり、チームの結束に協力した。F1でセナも狙っていた4度目のVへブラジルを導くと「おれは勝利者だ。この大会は『ロマーリオのW杯』だったんだ」と、カップに口づけした。【94年大会取材・岡本学】

















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