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評論家

秋田豊

秋田豊(あきた・ゆたか)

1970年8月6日、名古屋市生まれ。愛知高―愛知学院大を経て93年鹿島入り。4回のリーグ優勝などに貢献。98、02年W杯日本代表。名古屋、京都を経て07年に引退。10年7月に京都の監督に就任。J1通算391出場、23得点。

伝わらない必死さ 香川なぜ飛び込まない


<W杯:日本0-0ギリシャ>◇1次リーグC組◇19日◇ナタル

 日本-ギリシャ戦の3時間前、ウルグアイ-イングランド戦があった。この2チームも日本同様、初戦を落として崖っぷちに立たされていた。

 ウルグアイFWスアレスの2得点もすばらしかったが、最も感動したのは、DFのA・ペレイラの気迫だった。後半途中、相手のひざが頭に当たって脳振とうを起こした。ピッチ外に運ばれ、チームドクターからは試合続行不可能を意味するバツ印が出た。しかし意識を戻した同選手は怒って、自らの意志でピッチに戻った。脳振とうは、後遺症の心配もあるので、褒められた行動ではないかもしれないが、この試合にかける意気込みを感じる。

 直後の日本戦。崖っぷちのはずだが、必死さは伝わってこない。後半38分、DF内田が右から低いボールを中央に送った。中で構えていたMF香川は飛び込まない。ボールはそのまま流れ、クリアされた。香川からすれば、引いてスペースを空けてなんとかしたかったのかもしれない。しかしあの場面は、泥臭く体を投げ出してでも突っ込むところだった。直後の内田の表情がそう語っていた。

 W杯は、サッカーに興味のない人もテレビ観戦する。人々に感動を与えるプレー、仲間を鼓舞するプレーは、スーパーゴールや華麗なテクニックだけではない。A・ペレイラのような気迫だったり、球際の厳しさ、気持ちのこもった熱いプレーは、人々の心臓を動かす。チームメートも、その姿を見て、また頑張れる。残り1戦。難しい相手ではあるが、熱い気持ちを忘れずに戦ってほしい。(日刊スポーツ評論家)























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