松田龍平が「御法度」でブルーリボン賞新人賞/2000年1月28日付
大島渚監督(67)の13年ぶりの新作「御法度」が作品賞、監督賞、助演男優賞、新人賞の4冠に輝いた。新たに入隊した美ぼうの剣士をめぐる新選組隊士の騒動を描いた作品。初の監督賞受賞の大島監督は「賞で夢中になる年齢ではないけど病気を心配してくれた人たちのことを考えるとありがたいね」。脳梗塞(こうそく)のリハビリを続けながらの撮影だった。「常に新しいことをやってるつもり。復活と言われるのは嫌だな。(エネルギーとしての)怒りはまだまだあるよ」と語った。
助演男優賞は沖田総司役の武田真治(27)が受賞した。「これまで何も考えずやってきた。この映画で個性的な俳優さんたちに囲まれ、自分を確立しなければと思いました」。主役の美少年剣士を演じ、新人賞を射止めた松田龍平(16)は「僕がもらっていいのかな」と謙虚に喜びを語った。故松田優作さんの長男、初演技というプレッシャーをはねのけた。「自分は自分という気持ちは変わりませんが、父のことはあらためて尊敬しています」。日本映画に新しいスター誕生を予感させた。
[2000年1月28日付]