優作さん“遺作映画”「犬、走る DOG RACE」公開/1998年8月9日付
松田優作さん(享年39)の“遺作映画”「犬、走る DOG RACE」が9月中旬に公開されることが決まった。優作さんが生前、映画化を熱望、優作さん主演で企画が進行していた作品だ。
新宿・歌舞伎町を舞台にヤクザに情報を流しながら犯罪者を追い続ける不良刑事と韓国人情報屋の日常を描く作品。優作さんが1989年(平元)にハリウッド作品「ブラック・レイン」を最後に他界したため、映画化は見送られたが、優作さんと親交深かった崔洋一監督(47)がメガホンをとった。「完成度の高い作品にするため、今の時代に合うように当時の脚本は徹底的に変えました。それが優作への私なりの礼儀なんです」と崔監督は語った。その一つとしてリアルな新宿を描くため登場人物をアジア各国から来た不法滞在者に変更した。主演は優作さんを尊敬しているという岸谷五朗(33)が務める。
人気バラエティー番組「SMAP×SMAP」で優作さんのドラマ代表作「探偵物語」を木村拓哉(25)がものまねしたことで若者たちに人気が一気に広がった。缶コーヒーのCMに生前の映像が使われたり、同ドラマの劇場版が上映もされるなど優作ブームが続いている。
[1998年8月9日付]