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「人間の証明」棟居刑事に松田優作/1977年3月26日付

1977年3月26日付 15面
1977年3月26日付 15面

 4億円の製作費を投入し、4月上旬ニューヨーク・ロケから撮影開始する角川春樹事務所製作「人間の証明」(監督・佐藤純弥)の、“刑事・棟居弘一良”にジーパン刑事で売り出した松田優作が決まった。

 映画は森村誠一氏の同名小説の映画化で、地上42階の超巨大デラックス・ホテルのエレベーターの中で黒人青年が刺殺されたことから日本とアメリカにわたる広域捜査が展開される話を中心に、複雑な人間模様が描かれて行くもの。

 同映画は、さきに大ヒットとなった「犬神家の一族」につぐ角川春樹事務所の第2弾。500万円の賞金をかけて脚本を一般募集(松山善三氏に決定)するなど大がかりな製作方法と、東映配給、東宝系洋画館のロードショー、日活撮影所で製作といったこと、さらに3億円近い宣伝費の投入など、さまざまな話題で注目を集めているが、その主役の刑事を松田優作が演じる。

 この役は、ホテルの所轄のベテラン刑事で、精悍(かん)な、執念の男で日本はもちろん、アメリカまで犯人を追って渡り、大活躍をする。これまで渡哲也、藤岡弘、原田芳雄なども候補にあがっていたが、テレビドラマなどで、“ジーパン刑事”として精悍さ、クールさを売り物にして来た松田に白羽の矢が立ったもの。ほかに、岡田菜莉子が売れっ子の女流評論家で、事件の中心人物を演じるほか、ジャネット八田らが出演する。これらの配役は26日正式発表される。

[1977年3月26日付]



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