いざ、決戦-。凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月4日=パリロンシャン)に出走する各馬を現地で取材してきた下村琴葉(ことは)記者は、メイショウタバル(牡5、石橋)に夢を託す。起伏の激しい2400メートルのコースに加え、世界の一線級が集まる日本競馬界にとって最大の“壁”。連載「凱旋門賞ストーリーズ」最終回は、タバルが壁を乗り越えうる理由に迫った。
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「本当にいろんな思いがある」。月曜からのフランス出張で武豊騎手と石橋師から何回も聞いた言葉だ。この馬を本命にしたのは、そんな競馬のロマンを追いかけたいから、だけではない。未知の舞台でも楽しみが持てるほど、メイショウタバルの状態がいいのである。
決め手となったのは、急きょ最終追い切りにまたがった武豊騎手の発言だった。「動きが本当に良かった。いい時のタバルだと思う」。昨年よりも走る時の頭の位置が低くなり、動きの迫力も増した。「この馬の長所でもあり、短所になる時もある気性の強さ、きつさ、前進気勢があった」。ジョッキーがまたがり、戦闘モードに入った。
併走馬にまたがっていた藤岡佑介技術調教師も「(担当助手の)上籠さんがまたがっている時はリラックスしている感じだったけど、豊さんがまたがったらシャキシャキ歩いていた」と証言。やはりタバルの特徴は気持ちの強さ。ピリッと気が引き締まったのは、間違いなくプラスになる。
3歳時からメイショウタバルの取材を重ねてきて感じるのは、馬の状態とレース結果がかなり直結すること。武豊騎手が「いい時のタバル」というのなら、必然的に色気を感じてしまう。
「メイショウサムソンの時(前年に馬インフルにより遠征自重)は、馬がいい時に行けなかった。タバルに関しては、昨年のプランがあったけど、今年で良かったと思う。楽しみ」。機は熟した。
単勝(5)と、対抗(1)ダリズとの馬連(1)(5)、ワイド(1)(5)で勝負。
さぁメイショウタバルよ。駆け抜けろ、日本馬未到の境地まで。(おわり)【下村琴葉】

