媚薬(びやく)やほれ薬なら、「むべなるかな」ですが、意外な「食べ物」に、女性の性欲を高める効果があるようです。

それは、リンゴ! イタリアで行われたアンケート調査があります。同国の731人の女性を、リンゴをまったく食べないグループと、毎日1~2個食べるグループに分け、それぞれに「FSFI(The Female Sexual Function Index)」という女性の「性機能指数」を表すアンケートを実施したものです。

このアンケート項目ですが、たとえば「どれくらい性的欲求や性的関心を持ちましたか?」とか「性行動や性交の間にどのくらいの頻度でぬれましたか?」といった質問を投げかけ、回答者に「ほとんど、または全然なし」から「時々」「かなり頻繁に」「ほとんど、またはいつも」まで、5~6段階に応じて、性生活に切り込んで尋ねています。

その結果、毎日リンゴを食べると、FSFI値が高く、性欲と全体的な性的満足度が増すことが判明したといいます。また、赤ワインは、血流が良くなるとともに、それに含まれるポリフェノールにも精力を高める効果があるといわれています。

また女性の性欲に関して、ちょっと興味深い研究結果があります。スウェーデンのイエーテボリ大学のニルス・ベックマン氏らが70歳のスウェーデン人を対象にセックスに関する聞き取り調査を行い、1972年、77年、93年、01年で比較。01年の調査で「セックスをしている」と答えた既婚女性は72年の調査時より約2倍多く、「(性交時に)たいていオーガズムに達する」と答えた女性も、大幅に増加していることが分かったというのです。

では、男性はどうか-。01年の調査で「セックスは楽しい」と答えた人は、それ以前の調査と比較して増えこそしていますが、「セックスで満足が得られない」という回答も増加したそうです。こちらは「やんぬるかな」でしょうか?

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビ、ラジオでコメンテーターとして出演多数。テレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修をドラマ立ち上げの時から務め、今年10月に新シリーズを迎える。気分転換は週2回のヨガで、15年あまり継続。インスタグラムdoctormorita、ホームページmorita.proなどで情報発信中。