科学的根拠に基づいて、男女の仲がよくなる方法です。まず、おしゃべりが苦手な女性は、デート前に「紅茶」を飲んで臨むこと!

13年、杏林大学医学部の古賀良彦教授とコミュニケーションのスペシャリストである野口敏先生の監修の元で行われた、紅茶、緑茶、コーヒー3種の飲料が脳機能に与える活性効果の調査があります。測定の結果、会話開始直後の各飲料における酸素化ヘモグロビン濃度の平均値が最も高かった、言い換えると、脳の前頭葉の働きが最も活発で安定化しているのが、紅茶だったということです。

古賀教授は、「前頭葉は話の流れを順序良く組み立てる、相手の興味を引き寄せる表現力や想像力を働かせるなど、脳において最も高度な働きをする部位。そのため、紅茶は他2種の飲料よりもコミュニケーションを活発化させ、会話力を高める効果があると推測される」とコメントしています。

調査対象は、20~40代の初対面、恋人、夫婦からなる男女10組20人。初対面や夫婦同士でも、紅茶を飲むことでリラックスして「会話の弾み度」が高まったようです。

それでは、「コーヒーはどうなの?」と疑問を持つ人もいるでしょう。ひと言でいうと「コーヒーは匂いを嗅げ、でも飲むな!」となります。コーヒー、特にグアテマラやブルーマウンテンの香りは、気分を落ち着かせ、安らぎの時に脳から出てくるアルファ波という脳波をたくさん出す効果があることが、最近の研究でわかっています。それだけ、コーヒーの匂いは感情に影響を及ぼしやすく、男性とケンカしそうな、イライラした時はその匂いが効果的。でも、飲んでしまうとカフェインの働きで脳が活性化し、興奮気味になってそれが問題発言につながりかねません。

イライラを解消する他の方法を紹介します。それは、「ローソクの炎を見る」ことです。あのユラユラ揺れる炎には、脳神経や心を落ち着かせる効果があります。「ユラユラ」は「f分の1(エフ分のイチ)揺らぎ」と呼ばれる不規則なリズム。見つめていると、気持ちが安らぎ心地よさを感じます。試してみてください。

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビ、ラジオでコメンテーターとして出演多数。テレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修をドラマ立ち上げの時から務め、今年10月に新シリーズを迎える。気分転換は週2回のヨガで、15年あまり継続。インスタグラムdoctormorita、ホームページmorita.proなどで情報発信中。