きょうから2回に分けて、クイズ形式でがんについて学んでいきたいと思います。

Q がんになりやすいのは、どちらでしょう?

A・男性 B・女性

答えは「A」。生涯のうち、がんと診断される人の割合は、「がん研究振興財団」によると男性61・8%、女性46・0%。男性のほうが悪い生活習慣(たばこなど)をもっている人が多いため、と考えられています。ただ、30~50代では女性のほうが罹患(りかん)率が高くなっています。乳がんなど、女性特有のがんは若いうちから発生するためです。

Q がんになりやすいのは?

A・170センチ、53キロのやせ形の男性 B・170センチ、90キロの肥満の男性

答えは「A」。国立がん研究センターが、40~69歳の男女約9万人を対象に、肥満度(BMI)とがん全体の発生率を調査。やせているグループ(BMI21未満)と太っているグループ(同30以上)で発生率が高く、特に高かったのは、最もやせているグループ。170センチなら53キロくらいの男性でした。一方、女性はやせていても太っていても、がんの発生率に違いはなかったそうです。

Q 遺伝が原因でがんになる人は、がん患者のうち

A・5% B・25%

答えは「A」。がんは遺伝すると思っている人が多いかもしれませんが、遺伝性のがんは全体の5%ほどなのです。遺伝性が高いと考えられているがんは、乳がん、卵巣がん、大腸がん。それでも約10%程度なのです。「がん家系」という遺伝的影響からがんになりやすいこともありますが、同一家族内で同じ生活習慣(食事や運動)を共有していることも影響していると考えられます。

Q 米国立がん研究所が127種類の野菜や果物のうち、最もがんの予防栄養価が高い食品と選んだのは

A・ニンニク B・ブロッコリー

答えは「A」。トップはニンニクでした。「DATS」という成分の中にさまざまな効果があり、特に大腸がんに対しての効果がわかりつつあります。ほか上位には大豆やキャベツなどが挙がりました。しかし、食べすぎにはご注意を。1日1かけら程度で十分です。

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビ、ラジオでコメンテーターとして出演多数。テレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修をドラマ立ち上げの時から務め、今年10月に新シリーズを迎える。気分転換は週2回のヨガで、15年あまり継続。インスタグラムdoctormorita、ホームページmorita.proなどで情報発信中。