イギリスのニューカッスル大学が行った、貯蓄・収入と、肥満度・ウエストサイズなどの比較調査が興味深い結果を出しています。1万5000人以上を対象とした研究で、男女共に、貯蓄が多いと、ウエストサイズが短く、スリムであることが分かったのです。特に女性はその関連性が顕著で、倹約家の女性のウエストは浪費家の女性よりも平均して約3センチ細いことがわかりました。

目の前の欲求を抑えられるという人は、倹約ができ、さらに長期間のダイエットも可能で、スリムな体を維持できるとみられます。対照的に浪費家は、目先の快楽に走ってしまうので、食べてしまい、太ってしまうというわけです。

調査は、対象のイギリス人の医療報告を分析、貯蓄や収入、婚姻状況に加え、肥満指数(BMI)、体脂肪率、ウエストサイズの体形に関わる3データを比較し、この結論にたどり着いたということです。研究者は男女共に、貯蓄とウエストサイズが反比例することを発見。特に女性はその差が顕著で、倹約家の女性のウエストは、浪費家の女性よりも、平均して約3センチ細いことが判明しました。やせたければ、貯金すべしとも思えてしまいます。

また、外見ではなく内面の性癖でも、「病気の傾向」が判断できるといいます。それは、ナルシストは高血圧になる危険性が高いというものです。米ミシガン大学の報告によると、自分のことが好きすぎる男性は、無意識に感じるストレスが人より多く、さまざまな病気になりやすいことがわかりました。ナルシスト男性の唾液には、コルチゾールというホルモンが多く含まれています。これは、体や心にストレスがかかった時に出るホルモンで、免疫力の低下、高血圧や糖尿病などの危険性が高い、というものです。

自分の体をいたわることと、自分のことを好きすぎることは、まったく別の意味です。自分を愛するのもほどほどにしないと、病気を引き起こしてしまいます。

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビ、ラジオでコメンテーターとして出演多数。テレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修をドラマ立ち上げの時から務め、今年10月に新シリーズを迎える。気分転換は週2回のヨガで、15年あまり継続。インスタグラムdoctormorita、ホームページmorita.proなどで情報発信中。