政界地獄耳

「やらない」はずが…いつまで続く口先政治/地獄耳

★21日の投開票まで参院選は大詰めを迎えている。各地では台風の影響もある中、各陣営が最後の力を振り絞っている。一方、その政治家が選挙で世の中の動きに疎くなっているさなか、18日の会見で官房副長官・西村康稔は米トランプ政権がホルムズ海峡を航行するタンカーを護衛するため有志を募っている有志連合の会合に、在米大使館員を出席させるとした。来週には米ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官が来日して参加の調整に入るだろう。16日には防衛相・岩屋毅が有志連合への自衛隊の参加について「現段階で考えていない」としていたが、参院選中には表明しないということのようだ。

★今の政治はこういうやり方だ。「やらない」と言っておきながら「実はやる」。手法はTPPの時と同じだ。自民党は12年の衆院選挙のポスターに「ウソつかない TPP断固反対 ブレない」としたが「状況が変わった」として前言は覆された。間もなく日米の農産物交渉でも似たようなことが起こるかもしれない。「新しい判断」と言い出し、国民との約束をけむに巻く。今、与野党ともに公約や政策の投げ売り状態だが、相手の政策には財源はあるのかと攻撃しながら、自分の政策の財源も不透明なものが多いのではないか。

★国民の財産、自由がこの国では守られるものだと思っていたが、札幌に続き18日、大津でも応援演説に来た首相・安倍晋三にヤジを飛ばした男性を、警察官らが会場後方で囲んで動けなくする場面があったと報じられた。もうこれがこれからの当たり前になり、次の選挙では今以上の実力行使、場合によってはその間に検挙しやすい法律も作られるかも知れない。選挙中、候補者や党幹部はこんな発言をしたなど、もう何の約束や担保にもならない。その場限りの口先政治はいつまで続くのか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング