政界地獄耳

安倍、麻生が政権移譲政権探る会談/政界地獄耳

★首相・安倍晋三は党幹部や主要閣僚と相次いで会食を繰り返しているが、6月29日は首相動静には書かれていないものの副総理兼財務相・麻生太郎と会談したとみられる。昨今の麻生との頻繁なる会談を解散総選挙近しととらえる向きもあるようだが、今の政権に解散を打つ力はない。現実は政権の幕引きの算段と考えるべきではないか。つまり、首相は気力なのか、嫌気なのか、何らかの事情によって政権から降りる準備を進めているものの、ポスト安倍と言われるも首相意中の党政調会長・岸田文雄が国民に人気がないことや、党内に盤石な基盤がないことなども加味して、安定的な政権移譲をするにはどうするかがテーマではないだろうか。

★「暫定内閣というのか、選挙管理内閣というべきか、麻生が禅譲で引き受けるのは政治の停滞を引き起こさないための政権移譲政権であり、本格政権を目指すものではない。麻生からならば岸田にスムーズに移行させることも党内政治的には可能ではないか。ただ、この移譲政権の目的や役割や期間が重要で、本格的な後継総裁をどう選ぶか、その後の首相指名から組閣へとどう導くかが焦点になる。麻生派の内部調整や首相の出身派閥である清和会の動向、党幹事長・二階俊博の顔色、もう1人のポスト安倍である元幹事長・石破茂の処遇などもテーマではないか」(自民党関係者)。

★無論、コロナ第2波への備えと共に、景気後退、雇用不安など政権には問題が山積で、それを半ばで投げ出すことになりかねない政権放り投げをどう合理的に説明するかなどの「辞任の大義」も問われることになる。辞任後の党内へのにらみをどう聞かせるかも含め、1つの方向を探るには細かな知恵と打ち合わせが必要だ。政局はゆっくりと水面下で動きだしたのではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング