政界地獄耳

【政界地獄耳】自由に発言できない立憲民主党の閉鎖性

★立憲民主党の次期衆院選の北海道4区の公認が内定していた同党衆院議員・本多平直が、5月10日の「性交同意年齢の引き上げを議論する」党会合で「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」と発言。会議での発言を漏らす議員らがいて党幹事長・福山哲郎が口頭で厳重注意し、会見で「性暴力被害者の皆さまを大変傷つけたことについて、心からおわび申し上げたい」と謝罪。本多も発言を撤回、謝罪した。

★ところがそれを与党などが批判し始め「党ハラスメント防止対策委員会」などで扱いを協議。13日の常任幹事会で「党の名誉、信頼を傷つけ、党運営に著しい悪影響を及ぼすもの」として、1年間の党員資格停止とする処分案を党の倫理委員会に諮るとした。決定すれば本多は秋の衆院選挙に立憲からの出馬はかなわない。本多は6月10日には「人を処罰する法律なので、例外や本来は想像できないような限界事例をどう考えるか、幅広い緻密な検討をしたいと考えていた」と記者団に語っている。

★外部の有識者も入っていたかもしれないが、整理すれば党の性交同意年齢の引き下げを議論する会議で、性犯罪規定を見直す刑法改正に関する議論の中で出た発言で、本多が自らの性的指向について持論を述べたわけではなく、刑法の考え方を説明したものではないのか。そもそも党内の会議で自由に発言できないことがこの党の陰湿で閉鎖性を表しているし、事態が発覚後、本多に同情的な発言をした議員らにも「除名」をちらつかせる雰囲気があるという。以前、自民党では核武装論をいう議員がいたときには「議論すら認めないのか」と自民党は反発した。党内議論が活発に行われてこそ、政党としての成熟があるし、それを認める空気が党代表・枝野幸男の言う寛容な保守ではないのか。立憲主義とも思えない。今日27日、党常任幹事会があるが、与党に言われて態度を硬化したこの党は信用できるのか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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