政界地獄耳

【政界地獄耳】未来望めぬマウント争い

★政界の日中関係のざわつきが収まらない。日中友好議連は日中関係の歴史ある超党派の議連だが、その議連会長は岸田政権発足とともに外相に就任した林芳正だったが、同時に辞任。事務局長の元経産相・小渕優子の昇格の流れができていたが、小渕が固辞して空席のままだった。一方、小渕は日韓議連にも入っていて、日韓は劇的に関係が改善され、前首相・菅義偉が就任した。

★中国駐日大使の離任のあいさつを首相が多忙を理由に断るとか、北京に住む製薬大手のアステラス製薬の50代の邦人男性がスパイ活動に従事し、中国の刑法ならびに反スパイ法に違反した疑いで当局に拘束されたと報じられても中国政府に影響力のある同議連の活動は停滞気味だ。議連のメンバーが言う。「自民党前幹事長・二階俊博の次期議連会長内定報道が出ているが、超党派だけにすんなりいくかどうかは分からない。そもそも政界引退間近と言われる二階は今からいつまで会長をやろうというのか。議連なんだから議員の間しかその職には付けない。未来志向ゼロの人事にみんな沈黙している。増して、日中間が冷め切っている時期にどれほどの議連のメンバーが次回の総会に顔を出すのか。二階は4月下旬の訪中を計画しているようだが、邦人救出にはもっとスピード感が必要ではないのか」と疑問を呈す。

★一方、この動きを受けるように外相の来月1日からの訪中が急きょセットされた。外相の中国訪問が実現すると19年11月以来、3年4カ月ぶりとなる。無論コロナもあったが、それほど両国は経済の依存度が高いわりに往来が減っていて経高政低が続いていた。中国に拠点を置く企業は嫌がらせ的な邦人拘束が続くようならば、日本政府の対中政策に反旗を翻すだろうし、外相訪中の意味は大きい。林・二階のマウント争いでは意味がない。建設的で未来が望める動きは政界には皆無なのか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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