政界地獄耳

【政界地獄耳】政治活動費の透明化転換で透ける首相・岸田文雄の思惑

★連休が明けると首相・岸田文雄の焦りなのか、自民党は今までブラックボックス状態になっていた政策活動費の使い道を公開する方向で調整に入ったという。政治活動費の透明化は自民党が政治結社の自由を守るために死守してきたはずだ。突然の方向変換に党内からも戸惑いの声が聞こえるが、この言い方だと国民は1円まで公開するものだと考える。公開のレベルでいろいろ議論が始まると面倒なことになり、自民党は墓穴を掘る可能性もある。首相は派閥を政策集団と言い続けた人。認識の違いを対立軸にして押し通すのではないかとの声もある。

★自民党の政治改革の司令塔は政治刷新本部だが、首相本人が乗り出し先頭に立つ演出とともに、本気で改革をやられては困るかのようにぎりぎりでまとめさせ、公明党の合意も得る。ここまでくれば野党は騒ぐがまとめきれるという腹だろう。政治資金規正法改正で、どこをいじらずにまとめ上げるかが焦点。別の方向に国民とメディアの関心を持っていき、改革を断行するように見せることが肝要ということか。

★東京新聞は自民党に2000万円以上の献金を行った34の企業・団体にアンケートを実施。献金の理由では12の企業・団体が「社会貢献」とした。今後、献金を辞めると答えた企業・団体はゼロだったという。自民党に献金することが社会貢献になるという考えがなかったが、社会に貢献していないから問題になっている。それは社会貢献というより企業・団体都合ではないのか。企業側はどんな献金をいくらしたかの公表義務はない。上場企業では数字が残るが、それ以外はうやむやにしやすい。献金をいただく政党や議員側から献金した企業・団体名が出るだけだ。透明性を強めれば、支出する側にも公表義務が生まれかねない。最終的に自民党はここを認めず守りたいのだろうか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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