抱卵前で脂が乗った良型イサギを狙おうと3日、和歌山・日高阿尾の乗合船「共栄丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で日ノ岬沖へ出た。午前5時過ぎから天秤サビキ仕掛けで挑戦。早朝から順調に掛かり続け、前半の時合では型狙いで、後半は連掛けを楽しんだ。正午前までに竿頭は25~35センチを55匹釣り上げた。水温がもう少し上昇すればイサギの活性もぐんと上がり、型、数釣りとも最盛期を迎える。【中村和嗣】

1投目で36センチの抱卵を釣った川畑さん
1投目で36センチの抱卵を釣った川畑さん

春イサギは型、数釣りとも絶好調! ゴールデンウイークとあって、共栄丸は2船とも満員御礼で出船! 記者は脇山雅人若船長の船に乗り出船。午前5時過ぎ、日ノ岬沖の水深約41メートルのポイントに入った。海はなぎで、下り潮がゆっくり流れる好条件だ。

先に出船していた脇山秀之親船長の右隣に船をつける。若船長の「底を取って5~12メートル上で始めて」との指示で、サビキの4本バリ仕掛けを投入。底まで落とし、指示ダナまでゆっくり引き上げ、腕を上下してまき餌をきかせていく。

30分ほど経過すると、船首左側で初のイサギ釣りという、川畑伸一さん(富田林市)の竿にゴンゴンとアタリ。タモ入れしたのは37センチの抱卵イサギだ。いきなりの良型ヒットに、釣った本人もびっくり。「めっちゃいいサイズが釣れました」と大喜びしていた。

また同右側の反保雅美さん(堺市)は、魚群探知機を見ながら「38メートル付近に群れが固まっているよ」と、群れを逃がさないよう丁寧にイサギの群れを狙い撃ち。脂の乗った25~35センチを次々と釣り上げている。

そして早朝の時合を迎えたのか、船中でブルブルっと竿先が震えるアタリが連発。25~32センチを次々と取り込んでいく。

右舷の前田英忠さん(香芝市)も好調だ。「イサギは初夏だけと思っていたら、ここでは一年中イサギ釣りができると知って、3月から釣りに来るようになりました。春イサギも脂が乗っていて、あぶりや、霜降りにしたらおいしいですよ」と話してくれ、前回は40匹釣ったという。今回も底上8~9メートルで竿をゆっくり上下する誘いをかけて、36センチを頭に順調に数を伸ばしていた。

武村さんが自作仕掛けで釣り上げた48センチのマダイ
武村さんが自作仕掛けで釣り上げた48センチのマダイ

午前8時前には、太ハリスの自作仕掛けでイサギと高級魚シマアジを狙っていた、船尾の武村裕章さん(和歌山市)の竿にグッグッとアタリ。「イサギとは違う」手応えに、慎重に浮かせてきてタモ入れしたのは、48センチマダイだった。狙っていた獲物とは違ったが、食べごろサイズのマダイに満足顔だ。

そして午前10時頃、一時流れが速くなっていた底潮が緩むと、再び時合の到来だ。イサギの食いも活発になり、2~4連掛けが連発。入れ掛かり状態が納竿の正午前まで続き、船中全員が数釣りを堪能した。

竿頭・反保さんの釣果
竿頭・反保さんの釣果

竿頭は反保さんで、手のひらサイズ(20センチ未満)をリリースする余裕の釣りで、25~35センチを55匹だった。この日は船をアンカーで固定し、2船でまき餌を集中したことで、イサギの群れをがっちりキープできたことが好釣果につながった。

また、別船では、谷本和幸さん(田辺市)が、この日最長寸の39センチを頭に26センチまでを42匹釣っていた。この分なら、夏本番も大いに期待ができそうだ。


【今後の見通し】これから抱卵イサギの最盛期に向け体高があり、脂の乗った40センチ級が期待できる。5月中旬になると、イサギの活性がさらに上昇する。サイズも30センチ級が増え、数釣りも楽しめる。良型を狙うなら、オキアミの刺し餌が有効だ。この日も刺し餌をしている人が30センチ超を数多く釣っていた。また、バラシ防止のためマイネットの準備もお薦めする。


【問い合わせ】共栄丸【電話】0738・64・2318。乗合船料金は1万2000円(餌、氷、仕掛け1つ付き)。出船時間は要確認。貸し竿は電動リール、竿受け付きが2000円、手巻き用1000円。

【交通】湯浅御坊道路の御坊ICを出て右折。野口新橋を渡り、県道26号を走って財部の信号を右折し国道42号を北へ。JR紀勢本線の紀伊内原駅前の信号を左折。県道189号、同24号を走り、阿尾港へ。