【書き下ろし&復刻】「嫌われた監督」著者・鈴木忠平が描く勝負の世界〈3〉福留孝介
「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」で各賞を総なめにした、ノンフィクション作家の鈴木忠平氏。毎週月曜日に公開の書き下ろし「随想録 鈴木忠平」第3話は、2022年限りでバットを置いた職人の心根に迫ります。作中に触れられた、ドラゴンズが優勝を決めた翌朝の紙面より、鈴木氏が執筆した1、3面の本記も復刻。秋の夜長にお楽しみください。(所属、年齢などは当時)
プロ野球
◆鈴木忠平(すずき・ただひら)1977年(昭52)千葉県生まれ。名古屋外国語大学を卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。中日、阪神などプロ野球担当記者を16年間経験したのち退社し、文藝春秋Number編集部に所属。現在はフリーのノンフィクション作家として活動している。「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」(文藝春秋刊)でミズノスポーツライター賞、大宅壮一ノンフィクション賞、本田靖春ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞を受賞。最新刊に「虚空の人 清原和博を巡る旅」(文藝春秋刊)がある。
2006年10月10日、中日ドラゴンズは優勝のかかったゲームを戦っていた。勝てばゴールだが、すぐ背後には猛追する2位の阪神タイガースが迫っていた。負けられない東京ドームでの巨人戦は規定によるラストイニング、延長12回に入っていた。得点できなければ勝ちはない。チームはさらに追い込まれることになる。
福留孝介はこの土壇場のイニングが始まるとき、ある予感を抱いたという。
▼随想録 鈴木忠平▼
▼巻頭言 鈴木忠平▼
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1977年千葉県生まれ。名古屋外国語大学を卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。中日、阪神などプロ野球担当記者を16年間経験したのち退社し、文藝春秋Number編集部に所属。
現在はフリーのノンフィクション作家として活動している。「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」(文藝春秋刊)でミズノスポーツライター賞、大宅壮一ノンフィクション賞、本田靖春ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞を受賞。
最新刊に「虚空の人 清原和博を巡る旅」(文藝春秋刊)がある。