国内女子ツアーの楽天スーパー・レディースが7月27~30日の4日間、炎天下で開催された。開催中の28日には、山形・米沢市で部活動を終えた女子中学生が熱中症の疑いで死亡する悲しいニュースが届いた。2021年に新設された同大会もまた、時期が時期だけに例年、暑さが話題になる大会だ。

大会期間は4日間。しかし、選手は月、火に設定された指定練習日、水曜日のプロアマ戦などにも参加するため、4日間だけゴルフをしているわけではない。練習日から暑さを嘆く選手は少なくなかった。

日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は暑さ対策で、トップ組を午前6時45分スタートにした。それでも、ホールアウトする午前11頃には31~33度に達した。予選ラウンドの午後組になると、この時間帯からコースに出ることになる。

大会が発表する気象データによると、第1日の気温は34・7度、第2日33・9度、第3日31・5度。最終日33・7度だった。ただ、これは連日正午過ぎに発表されるもので、通常午後に記録される最高気温の実態を表しているわけではない。隣接する三田市の計測になるが、最高気温はこれより3度ほど高かった。

選手は暑さ対策をして大会に臨んだが、第2日から体調不良を訴える者が…。河本結は、6ホールを終えたところで「続けたいんだけど吐きそう」と訴え棄権。石川明日香は13ホールを終えたところで棄権した。

雷雲接近による中断でクラブハウスに引きあげてきた植竹希望は「頭を冷やさなきゃ」と立ち上がったところで倒れこみ、担架で搬送された。椅子に座り込んで頭を冷やすキャディーの姿も見られた。第2日終了後には上田桃子も棄権。第3日スタート前にも神谷そら、ラウンド中にはペ・ソンウと棄権が続いた。搬送されるギャラリーもいた。

プロである以上、「試合があれば出たい」のは当然、シード権争いもある。実際、医師から出場可能の診断を受けた植竹は再開後にプレーを続行。決勝ラウンドも点滴を打って乗り切った。

ある選手の親族からは、冷静な分析の声も出た。「以前は北海道とかでやってた先週の大東建託(レディース)が福岡だったでしょ? あれも暑くて疲れを引きずった感じ」。熱疲労の蓄積を心配していた。

こんな声を協会側はどう受け止めているのか。今大会は21年から3年間、JLPGAが主催、楽天グループが特別協賛する形でスタート。今年で3年がたった。小林浩美会長に聞くと-。

「夏場の開催は避暑地がいいと考えて動いていますが、男子とは同じ場所で行わないようになっているし、会場は総合的に勘案して決めないといけない。選手、スポンサー、ファン、皆が喜ばないといけないし、他の大会も含め、来年の開催がどうなるかはこれからですね」

暑さ対策については「スタート時間を早くしたり、フードサポートやドリンク、氷を補給できる場所を増やす対応をとっています」。小林会長がこう話すように、選手やキャディーを対象にクラブハウス内「補食ステーション」を開設し、栄養士監修の軽食を無料提供。コース内に冷たいペットボトル飲料の入ったどぶづけや氷の補給場所が数カ所、設置されていた。

協会はツアー強化のため、4日間競技の大会を増やしている。猛暑の中での4日間-。「時代が変わるとやり方も変えないといけないですし、暑さ対策にも何らかの改善の形はあると思う。よりよい大会を作りたいというのは皆同じですから」(小林会長)。

大会はスコアの伸ばし合いの結果、桜井心那(19=ニトリ)が逆転優勝。4週前の資生堂レディースに続くツアー2勝目をあげた。19歳167日での2勝目は史上4番目の年少記録(招待選手除く)となった。

山下美夢有や申ジエなどメルセデスランキング上位組が海外メジャーのエビアン選手権参戦のため不在だったが、出場選手はそれを全く感じさせない熱い戦いを繰り広げてくれた。“皆にとってよりよい大会”の行方に注目したい。【阪口孝志】

7月29日、氷のうを手にスタートする金沢志奈
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7月30日、通算21アンダーで優勝し、トロフィーを手に笑顔の桜井心那
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