愛知・名古屋アジア大会は国歌の取り違えや選手輸送のバスが到着しないなど、大会に水を差しかねないトラブルが相次いだ。大会組織委員会は釈明に追われ、市民からは批判も。18日開幕のアジアパラ大会で教訓を生かしたい構えだ。

大会関係者が「あってはならないこと」と深刻に捉えたのが、岐阜県で9月18日に行われたホッケー男子の韓国戦で誤って北朝鮮国歌が流れたことだ。韓国選手団は抗議書簡を送り、組織委が謝罪する事態になった。

その後も不手際は続く。バスケットボール男子で、同月20日の決勝を控えた韓国チームに練習会場へのバスが手配されなかった。バレーボール男子では同月28日、パキスタンの選手が宿舎から試合会場へ移動する際、誤ったバスに案内され、試合開始は遅れた。

組織委会長を務める大村秀章愛知県知事は今月4日、名古屋市内で記者会見。輸送の不備を「真摯に受け止め、ご迷惑をかけたアスリートには率直に申し訳なかった」と謝罪した。会長代行で同市の広沢一郎市長も先月30日、一連のトラブルは「ヒューマンエラーもあり、選手団との連携不足などにも原因がある」と言及した。

名古屋市内で4日、市民の声を聞いた。30代の男性会社員は国歌の取り違えなどは「ありえない。国際問題になりかねない」と批判。桑山郁子さん(89)は「これだけ大きな大会をする以上、いくつかミスをするのは避けられないのでは」との見方を示した。「短い開催期間でもノウハウは蓄えられたはず。アジアパラ大会で生かしてほしい」(20代学生)との指摘もあった。

組織委によると、選手の宿泊先にバスの時刻表を掲示したり練習時間変更を前日の午後3時までとするよう依頼したりすることなどで、輸送ミスは改善したという。

担当者は、障害のある選手たちが参加するアジアパラ大会は一層丁寧な対応が求められるとして「トラブル再発を防ぎ、経験を踏まえより良いものにする」と強調した。