柔道日本代表の鈴木桂治男子監督が13日、世界選手権(バクー)から成田空港に帰国し、有効が復活した新ルールに疑問を呈した。「有効の幅が非常に広すぎるのと、果たしてこれが正解なのかと、疑問が残る場面が多々ありました」と投げかけた。
有効は17年に廃止されたものの、国際柔道連盟(IJF)は25年2月のグランドスラム(GS)パリ大会から再導入。寝技では10秒の抑え込みで「技あり」が認められていたが、5秒でも「有効」となる。技を受ける側がうつぶせで着地しても、腹部か骨盤の左右両側が畳に付いていなければポイントと見なされるなど、判定範囲が緩和された。
指導の応酬ではなく、積極的な技による決着を増やすなどの狙いがあるが、今大会は疑問符がつく判定も目立った。
男子100キロ級の新井道大(東海大)がスラマニゼ(ジョージア)と対戦した決勝では、新井の技が効果的に見えたものの、相手の大内返しとして有効だった。新井に投げられてから相手が返したように見え、スロー映像では相手の右肩が先に畳に付いた後に、新井の左手、胸がうつぶせで落ちたと思われたが、スラマニゼにポイントが入った。SNSでも不可解な判定だと疑問視する声が上がっていた。
鈴木監督は「我々から見たら、何で負けたのかが分からない」と指摘。他国の関係者からも「こんな試合内容でハッピーなのか?」と疑問の声をかけられたという。「指導で勝敗がつくのはつまらない、というのは分かる」と新ルールの意図に理解を示しつつ、「柔道を魅力的なものにするという言葉とは、ちょっと相反しているんじゃないかと感じてしまう」と率直に述べた。


