男子立位で新田佳浩(37=日立ソリューションズ)が、2010年バンクーバー大会以来、2大会ぶりの金メダルを獲得した。3日前のスプリント・クラシカルの銀メダルに続く表彰台で、バンクーバー大会の2冠を含めて自身3個目の金メダルになった。

 スタート直後の右カーブで転倒するなど「前半は非常に苦しい中でのレース」(新田)だった。2周目を終えてトップとは約8秒の差があったが、最終3周目で本領を発揮した。この4年間、最後までスピードを維持することを目標に肉体改造に取り組んできた成果が出た。終盤にトップに立つと、逆に2位に8秒以上の差をつけてゴール。「最終周で(トップとの差が)つまったと聞いたので、自分自身に負けないように4年間やってきたので……やってきてよかったです」。レース後は涙声で振り返った。

 14日のスプリント・クラシカルは最後の直線で抜かれて僅差の銀メダルに終わった。2大会ぶりのメダルにも「悔しかった」と満足していなかった。最後の個人種目で何としても金メダルを手にして、8年前にはまだ生まれていなかった、スタンドで声援を送っていた長男大翔くん(7)、次男健翔くん(4)に見せてあげることを目標にしていた。「ようやくこれで金メダルを子供にかけてあげることができる」と新田は感慨に浸っていた。