【阪神高寺望夢】外野歴1年で託された重要任務 内野手が外野を守るメリットとは

阪神高寺望夢内野手(23)が外野手として奮闘しています。不動の中堅手・近本光司外野手(31)が4月下旬に骨折で離脱し、代役を託された23歳は本職が内野とは思えない高難度のプレーを連発しています。中でも高橋遥人投手(30)の完封をサポートした5月6日の中日戦(バンテリンドーム)での好守に焦点を当てて、その貢献度を探ります。

プロ野球

★高寺選手が語った外野転向と成長の軌跡

  • 二塁に返球が帰ってくるまでの時間はおおよそ7秒6
  • 外野の名手には内野手出身が何人かいる
  • 距離によって投げ方を使い分ける投げ方

◆高寺望夢(たかてら・のぞむ)2002年(平14)10月17日生まれ、長野県上田市出身。上田西では甲子園出場なし。20年ドラフト7位で阪神入団。22年6月8日のソフトバンク戦で1軍デビュー。25年は3年ぶり出場で67試合、31安打、2本塁打、打率2割3分1厘。178センチ、78キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸2000万円。

試合前、外野フェンスの前に立つ

試合前、外野フェンスの前に立つ

0コンマ数秒を分けた完璧な判断

多くの人は「二塁打になる」と思ったはずだ。5月6日、阪神高橋はまた快投を続けていた。0-0の4回、中日の先頭福永に右中間にライナー性の快打を許した。福永はベースランニングに定評がある。攻撃的な走塁をする選手だ。

そんな福永が、勢いよく一塁を蹴ったあとに急ブレーキをかけた。視線の先では高寺が打球を処理していた。

中堅手・高寺は定位置で構えていた。そこから20メートルほど走って、右中間の深い位置で打球を押さえた。速い打球に対して回り込むのではなく、最短距離でつかみにいった。打球に追いつくと、スムーズにくるりと反転してスローイング。送球は二塁塁上で構えた小幡のグラブにワンバウンドで収まった。

ストップした福永の判断は正しかった。打ってから、二塁に返球が帰ってくるまでの時間はおおよそ7秒6だった。打者の二塁到達タイムはトップレベルでも7秒中盤とされる。タッチにいく時間を加えても、福永が二塁に間に合う可能性は高くなかった。まさにぎりぎりの勝負だった。

高寺が振り返る。

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1977年6月生まれ、長野市出身。2003年入社。
約20年の取材歴の大半が野球担当。記者としては阪神、広島、オリックス、中日、高校野球などを歴任。現在は大阪を拠点に阪神担当を務める。
取材で意識していることは「見えないものを見る」。アスリートの魅力、競技の奥深さを広い世代に届けたい。 趣味は旅行、料理、立ち飲み、お笑い、ドラマ、ウオーキング。喫緊の課題は高血圧。