【あの日あの1面 2012年8月24日】虎党のシャングリラ 藤浪VS北条@甲子園

10年前の8月23日、甲子園で虎党にはよだれものの戦いが繰り広げられていました。藤浪晋太郎の大阪桐蔭と、北條史也の光星学院。翌日の日刊スポーツ3面の見出しには、デカデカと「借りはプロで」とありました。春夏続けて顔を合わせた聖地で、今はともに戦う。素晴らしき縁に敬意を表し、復刻です。(2012年8月24日掲載。所属、年齢などは当時)

高校野球

史上最速の新・怪物伝説だ。大阪桐蔭が光星学院(青森)との春夏同一カード決勝を制し、史上7校目の春夏連覇を達成した。エース藤浪晋太郎(3年)が決勝では78年ぶりの14三振を奪い、準決勝から2試合連続2安打完封。9回に決勝史上最速153キロを計測する投球で、今大会4本塁打の4番・北條史也内野手(3年)を無安打に封じ、通算9勝目をマーク。東北勢初Vを目指した光星学院の夢を砕いた。

2012年8月24日の日刊スポーツ東京版1面

2012年8月24日の日刊スポーツ東京版1面

2012年8月24日の日刊スポーツ東京版2面。やや下からのアングルが、西谷監督の迫力を加速させている

2012年8月24日の日刊スポーツ東京版2面。やや下からのアングルが、西谷監督の迫力を加速させている

2012年8月24日の日刊スポーツ東京版3面。大見出しの左下に注目。当時本紙評論家だった清原和博氏が「回り道せず 直接行けよ」とエールを送っている

2012年8月24日の日刊スポーツ東京版3面。大見出しの左下に注目。当時本紙評論家だった清原和博氏が「回り道せず 直接行けよ」とエールを送っている

★史上7校目の春夏連覇

夏最後の勝ち星も、藤浪のものになった。

9回2死一塁で大杉を152キロストレートで空振り三振。駆け寄る捕手の森を全身で受け止めた。

春夏連覇を達成し森友哉と抱き合う

春夏連覇を達成し森友哉と抱き合う

一昨年の興南(沖縄)・島袋洋奨(中大)以来の春夏連覇投手が生まれた瞬間だった。

「甲子園の長い歴史の中で、偉大な記録を残すことが出来てよかったです!」

校歌を歌い、目を潤ませた。お立ち台で、興奮した声を響かせた。「夏勝たなければ意味がない」と話した春とは、違う達成感があった。

2日連続で2安打完封。大会4本塁打の4番北條は2三振を含む4打数無安打。

工藤公康氏が「初打席完勝がすべて」と評した第1打席の見逃し三振

工藤公康氏が「初打席完勝がすべて」と評した第1打席の見逃し三振

古代の王国トロイを発見したシュリーマンにあこがれ、考古学者を目指して西洋史学科に入学するも、発掘現場の過酷な環境に耐えられないと自主判断し、早々と断念。
似ても似つかない仕事に就き、複数のプロ野球球団、アマ野球、宝塚歌劇団、映画などを担当。
トロイの 木馬発見! とまではいかなくても、いくつかの後世に残したい出来事に出会いました。それらを記事として書き残すことで、のちの人々が知ってくれたらありがたいな、と思う毎日です。