【内海哲也リマスター版】キング・オブ・手記に君臨「雑魚寝ジャイアンツで最高」/Ⅰ

巨人が大きく変わろうとしています。長く監督を務めた原辰徳さんが辞任し、阿部慎之助監督が誕生。大きな人事に伴って、人間関係や立ち位置にも変化が生まれています。転機を迎えた3人の野球人が、日刊スポーツに残した「手記」をリマスターします。第1回は、5年ぶりに古巣復帰した内海哲也1軍投手コーチ。11年前のリーグ優勝時に残した赤裸々な作品は、「キング・オブ・手記」として今も強烈な輝きを放っています。キーマンたちの豊かな人間力に思いをはせ、秋の夜長をお楽しみください。

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◆内海哲也(うつみ・てつや)1982年(昭57)4月29日、京都府生まれ。敦賀気比から東京ガスを経て、03年ドラフトの自由獲得枠で巨人入団。07年最多奪三振、11年から2年連続で最多勝。12年にはセ・パ交流戦MVP、日本シリーズMVPに輝くほか、ベストナイン、最優秀投手も受賞。18年に炭谷のFA移籍に伴う人的補償で西武に移籍。22年限りで引退し、今季は西武の2軍投手コーチを務めた。通算135勝104敗、防御率3・24。09、13年WBC日本代表。186センチ、93キロ。左投げ左打ち。

「想像していたのとはまったく違う世界、例えるなら暗黒時代」

選手会長として、まずはお礼を言わせてください。ファンの皆さまのおかげで優勝することができました。ありがとうございました。

ハレの日に、ふさわしくないかもしれない。誤解を招くかもしれない。でも、今思うことを正直に記したい。

9年前、祖父と同じ巨人軍のユニホームに袖を通した。ようやく夢がかなった。うれしくて仕方がなかった。でも、想像していたのとはまったく違う世界、例えるなら暗黒時代とも言える雰囲気が、そこにはあった。

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