【宮崎編】阿部慎之助の拠りどころ…今も｢阿部ちゃん｣のユートピアまで／連載〈2〉
巨人阿部慎之助監督(44)の〝足跡〟をたどる。今回はキャンプ地の宮崎。メイン球場として使用するサンマリンスタジアムに阿部監督と母校・中大をつなぐ意外なルーツがあります。現役時代からシーズンに向けて、鍛錬を積んだ宮崎編です。中大野球部で阿部監督の1学年後輩で宮崎出身の野崎偉世さんの〝証言〟とともに宮崎の足跡を紹介します。
プロ野球
▼為田聡史記者が描く阿部慎之助▼
◆阿部慎之助(あべ・しんのすけ)1979年(昭54)3月20日生まれ、千葉県浦安市出身。安田学園―中大を経て、00年ドラフト1位で巨人入団。01年に新人捕手でチーム23年ぶりに開幕先発出場し、初打席初安打初打点。04年4月に当時の日本記録に並ぶ月間16本塁打。09年日本シリーズMVP。12年は首位打者、打点王、最高出塁率に輝き、MVP、正力松太郎賞。ベストナイン9度、ゴールデングラブ賞4度。プロ通算2282試合で打率2割8分4厘、406本塁打、1285打点。19年に引退し、翌年から2軍監督。22年から1軍コーチで、23年はヘッド兼バッテリーコーチ。24年シーズンから第20代巨人軍監督に就任。右投げ左打ち。
中大時代のチームメートが激励に。グレーに赤のトップスが野崎さん
■｢梅肉たくあんを｣
「阿部さんが大好きな梅肉たくあんを持ってきました」
野崎さんが宮崎キャンプ中の阿部監督を訪問した。
先輩の大好物を差し入れした。宮崎産の大根でつくったたくあんと、梅肉の相性が抜群。歯ごたえのある食感と、あっさりとした梅の風味がたまらない。
野崎さんは、昭和26年創業の野崎漬物で代表取締役社長を務める。
阿部監督は、野崎さん名前を呼ぶときは決まってやや宮崎なまりで愛嬌(あいきょう)を込める。訪問当日は、練習の合間に三塁ベンチ前まで出向いた。先輩の前で若干の緊張感を醸し出す後輩たちを、大学時代と変わらない関係性で出迎えた。
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