【ソフト真の強み】阪神が誇る頭と中の柱を、1番と6番が、逆方向への本塁打で沈める

ゴールデングラブ賞10度の元ヤクルト宮本慎也氏(55=日刊スポーツ評論家)が、ベテラン小島信行記者との掛け合いで展開する連載「宮本慎也 もっと野球を語ろう」。セ・リーグを圧倒的な強さで制した阪神は、なぜ日本シリーズでソフトバンクに勝てなかったのでしょうか。改めて、宮本さんに〝厳しく〟評論してもらいました。後編です。

プロ野球

■今回の主なトークテーマ

  • 結果ではなく総合力でソフトバンクが上の理由
  • 日米とも球速上昇中。上原浩治さんから聞いた話
  • 来年も阪神は強いが、セパで比べると…

◆宮本慎也(みやもと・しんや)1970年(昭45)11月5日、大阪府吹田市生まれ。PL学園では2年夏に甲子園優勝。同大―プリンスホテルを経て、94年ドラフト2位でヤクルト入団。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞10度。通算2162試合、2133安打、62本塁打、578打点、打率2割8分2厘。引退後は18、19年にヤクルト1軍ヘッドコーチ。04年アテネ五輪、06年WBC、08年北京五輪代表。現役時代は176センチ、82キロ。右投げ右打ち。


◆小島信行(おじま・のぶゆき)プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。

■「投手戦で、本来であれば阪神のペースだった」

小島強いと思われていた阪神が、不可解な選手起用でソフトバンクに流れがいってしまったというのは分かりました。

宮本これが大一番の短期決戦の怖さだよね。

でもね、俺も最初は戦力的にも阪神が強いと思っていたんだ。でもトータルで日本シリーズの戦いぶりを見ていると、総合的にソフトバンクの方が強かったんじゃないかと思う。勝ったから言うわけではないよ。

小島どういうところが根拠になっているんですか?

宮本第2戦以外はすべて1点差ゲームだった。力差はそれほどないけど、決着がついた第5戦を見て、ソフトバンクと阪神の差が出たと思うんだよ。

あの試合は阪神が2点をリードしてた。投手戦で、本来であれば阪神のペースだった。そこで8回から石井が登板。今シーズン、1点しか取られていない投手だよ。

説明は要らないと思うけど、真っすぐの球威はあるし、コントロールが抜群にいい。ちょっと投げすぎで、そこは心配だったけど。ちょっとやそっとで打たれるような気がしないピッチャー。でも柳田に同点2ランを打たれた。あのホームランはすごかった。

確かにすごかった柳田のホームラン。現役時代のプレースタイルと評価軸が大きく違う点、宮本さんの評論に奥行きを与えています。有料会員登録でお楽しみください。

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プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。