「配信と地上波の共存」のW杯、「独占配信」のWBC スポーツ中継のあり方とは/1

「ユニバーサルアクセス権」。地上波でもテレビ観戦できるサッカーのワールドカップ(W杯)が盛り上がりを見せる中、スポーツ中継のあり方が再び注目を集めてます。野球界では、今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が地上波では観戦できず、日本で初めて動画配信サービスNetflix(ネットフリックス)による独占配信となりました。3回連載で検証します。第1回です。

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◆ユニバーサルアクセス権 国民の関心が高いスポーツイベントを有料放送だけでなく、広く無料視聴することを保障する制度。スポーツを「公共財」と捉える考え方で、英国、オーストラリア、韓国などでは制度が整備されている。

5月にスポーツエコシステム推進協議会のシンポジウムに出席した読売新聞社長の巨人山口寿一オーナー(69)は「高い金額を払わないと見ることができないという事態が常態化していくのは、やはり避けるべきだと思う」と語った。今後については「どの程度強制的に発動していくか簡単ではない」とした上で「日本の民間のテレビ局あるいは配信会社が大同団結して外国勢に対抗していく、独占に穴を開けていくという選択肢はぜひ持つべき」と話した。

★ユニバーサルアクセス権をめぐる動き

  • 英国・オーストラリア・韓国など海外で進む制度整備
  • WBC独占配信 視聴者は3140万人でNetflix日本最多
  • 「見られる人」と「見られない人」への危機感
WBC準々決勝 遊飛に倒れ喜ぶベネズエラナインを背に引き揚げる大谷翔平=2026年3月14日(現地時間)

WBC準々決勝 遊飛に倒れ喜ぶベネズエラナインを背に引き揚げる大谷翔平=2026年3月14日(現地時間)

新たな野球ファンを開拓のデータ

サッカーW杯は、日本代表戦を中心に地上波と配信サービスが役割を分担し、多くの国民が熱狂を共有した。テレビの前でもスマートフォンでも観戦できる環境が整い、「誰もが見られるスポーツ」の価値を改めて示した大会となった。

その一方で、今年3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、日本で初めて動画配信サービスNetflixによる独占配信となった。地上波中継はなく、契約者以外は侍ジャパンの戦いをリアルタイムで見ることができず、「国民的イベントを誰もが見られなくていいのか」という議論を呼んだ。

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1990年入社。アマチュア野球担当としてシダックス監督時代の野村克也氏、2006年夏の甲子園を制した早実・斎藤佑樹氏など取材。
プロ野球ではロッテ・バレンタイン監督解任騒動。DeNAの球界参入から中畑清初代監督フィーバーなど担当。
ストレス発散は1人カラオケ(ミスチル縛り)とゴルフ。