高騰する放映権料 世界最高額プレミアリーグの戦略と、為す術もなかったWBC/2
「ユニバーサルアクセス権」。地上波でもテレビ観戦できるサッカーのワールドカップ(W杯)が盛り上がりを見せる中、スポーツ中継のあり方が再び注目を集めてます。野球界では、今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が地上波では観戦できず、日本で初めて動画配信サービスNetflix(ネットフリックス)による独占配信となりました。3回連載で検証します。第2回です。
プロ野球
◆ユニバーサルアクセス権 国民の関心が高いスポーツイベントを有料放送だけでなく、広く無料視聴することを保障する制度。スポーツを「公共財」と捉える考え方で、英国、オーストラリア、韓国などでは制度が整備されている。
★放映権交渉の最前線で語られたこと
- プレミアリーグは92年の1700万ポンドから25億ポンドに成長
- 正力松太郎氏が始めた「無料放送」と街頭テレビの文化
- WBC独占の内幕 サブライセンス打診も実現せず
世界で約2億人が有料契約
国民的スポーツイベントを広く視聴できるようにするための議論が、5月18日の「スポーツエコシステム推進協議会」のシンポジウムで行われました。「スポーツ放映権の未来とユニバーサルアクセス制度の可能性」というテーマで、読売新聞社の巨人山口寿一オーナー、U―NEXTの宇野康秀CEO、バード&バード法律事務所リッチ・ホーキンス氏が討論しました。一部抜粋してお届けします。
司会 現在、スポーツ放映権料は世界的に高騰しています。一方で、スポーツは公共財としての側面も持っています。この両者をどう両立させるかが大きな課題です。サッカーのプレミアリーグ放映権はなぜ世界最高額になったのですか。
リッチ氏 プレミアリーグは放映権ビジネスの成功例として世界的に知られています。1992年の創設当初、イギリス国内の放映権収入は約1700万ポンド(37億7000万円)でした。しかし現在では年間約25億ポンド(5543億8000万円)まで成長しています。この成功の理由は、放映権を戦略的に販売してきたことです。プレミアリーグはシーズン380試合を一括販売せず、6、7のパッケージに細分化しました。
それぞれを異なる放送局が入札できるよう設計することで競争を生み、高額契約を実現しました。近年ではAmazon PrimeなどOTT事業(動画配信サービス)者向けのパッケージも設計され、従来型放送局だけでなくストリーミング企業も参入しています。
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1990年入社。アマチュア野球担当としてシダックス監督時代の野村克也氏、2006年夏の甲子園を制した早実・斎藤佑樹氏など取材。
プロ野球ではロッテ・バレンタイン監督解任騒動。DeNAの球界参入から中畑清初代監督フィーバーなど担当。
ストレス発散は1人カラオケ(ミスチル縛り)とゴルフ。
