
【インハイ3部作〈中〉】河辺愛菜 涙の北京から1年…無観客会場で突き上げた両手
フィギュアスケート女子の22年北京オリンピック(五輪)代表・河辺愛菜(18=愛知・中京大中京)が、1月16、17日に埼玉アイスアリーナで行われた全国高校選手権(インターハイ)に出場し、合計194・01点で優勝を飾りました。
9位に終わり、涙を浮かべた昨年末の全日本選手権から約3週間。無観客開催の中、情感のこもった演技を披露し、ガッツポーズも見せました。
北京五輪から1年がたった今、18歳の現在地をつづります。
フィギュア
<インターハイ:女子シングル優勝河辺愛菜>
3日連続で配信! インターハイ3部作アイストーリー
「うーん。すごく悔しかった…」北京の傷
心の奥底にある感情と、静かに向き合っていた。
「うーん。すごく悔しかったし…」
そこまで言うと、口を閉じた。
頬がかすかに紅潮する。過去の自分に問いかけて、ゆっくりと言葉を探す。
インターハイで優勝を飾り、表彰式からしばらくたった頃。
金メダルを首から下げた河辺は、22年2月の北京五輪を回想していた。
高校2年生でつかんだ夢舞台。あれから、1年がたとうとしている。
河辺は今、堪(たふ)る限りの力を尽くして、1日1日を過ごしている。
21年全日本3位で射止めた五輪代表
21年12月の全日本選手権。
河辺はキラキラと輝きを放った。
出場選手で唯一、ショートプログラム(SP)とフリーの両方でトリプルアクセル(3回転半)に成功。三原舞依(シスメックス)や宮原知子(木下グループ)を上回り、3人目の北京五輪代表切符をつかみ取った。
しかし、初めての五輪はほろ苦かった。
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