【“新春”対談〈上〉】三浦佳生ド緊張、憧れDeNA今永昇太さんとハマスタ青空の下

フィギュアスケートファンの皆さま、あけましておめでとうございます! 2023-24年シーズンも、日刊スポーツPREMIUMでは広く、深く、フィギュア情報をお届けしていきます。

新シーズン1発目は、昨季シニアの4大陸選手権(米国)と世界ジュニア選手権(カナダ)の2冠を達成した大の野球好き、三浦佳生(18=オリエンタルバイオ/目黒日大高)とプロ野球、横浜DeNAベイスターズのエースで今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝に貢献した今永昇太投手(29)の対談です。

競技こそ異なりますが、2人はともに“世界王者”。全2回の上編では、互いの競技への印象や、緊張との向き合い方についての語り合いをお届けします。

フィギュア

日刊スポーツPREMIUMフィギュアスケート“新春”企画で対談した三浦佳生と今永昇太

日刊スポーツPREMIUMフィギュアスケート“新春”企画で対談した三浦佳生と今永昇太

三浦佳生(みうら・かお)

2005年(平17)6月8日、東京都生まれ。ノービス、ジュニアともに日本一。21年の全日本選手権は、ジュニアから飛び級ながら北京五輪代表の羽生結弦、宇野昌磨、鍵山優真に次ぐ4位。シニア本格参戦の22-23年シーズンはGPシリーズ準優勝2回でファイナル進出(5位)。今年2月の4大陸選手権を17歳8カ月で初制覇し、北京金のネーサン・チェン(米国)が優勝した17年の17歳9か月を更新、男子史上最年少王者になった。拠点はKOSE新横浜スケートセンター。168センチ。

今永昇太(いまなが・しょうた)

1993年(平5)9月1日、福岡・北九州市生まれ。北筑高で甲子園出場なしも、駒大3年秋にMVP&神宮大会優勝。15年ドラフト1位でDeNA入団。プロ7年間で3度の2桁勝利達成。23年WBCでは米国との決勝で先発し、2回1失点で勝利投手。178センチ、86キロ。左投げ左打ち。背番号21。

観戦したくて…球場でバイトしてました

憧れの今永選手…持参したタオルにサインをもらい満面の笑みを浮かべる。三浦佳生。数週間前には、チケットを買って1人で試合観戦も

憧れの今永選手…持参したタオルにサインをもらい満面の笑みを浮かべる。三浦佳生。数週間前には、チケットを買って1人で試合観戦も

青空広がる横浜スタジアムの一塁側のスタンド。試合の前、選手の練習も始まる前のグラウンドを眺めた三浦の顔に興奮が広がった。数週間前には、チケットを買って1人のファンとして試合を見ていた客席も一塁側だったが、今度は見るだけではない。大ファンの今永と直接対話できる。太陽だけでなく、いよいよの緊張のためか、顔が少し赤くなり始めた頃、ベンチを通って今永が目の前に登場した。


三浦 初めまして。フィギュアスケーターの三浦佳生です。今日はよろしくお願いします!

今永 横浜DeNAベイスターズの今永です。今年で8年目になります。よろしくお願いします! 横浜スタジアムでアルバイトをしたことがあると聞きました。

三浦 そうなんです! 2年くらい前かな、高校1年の時、外野の階段を昇り降りしてゴミを拾う仕事でした。試合が見られるかなと思って(笑い)。2回、出勤のシフトに入れてもらったんですけど、その2回とも今永投手が先発だったんです! 投球に見入ってしまい、仕事が手につかず(笑い)。とてもラッキーでした。

今永 そうだったんですね。ありがとうございます!

三浦 WBC準々決勝のイタリア戦(3月16日)も、いろんな手を使ってプラチナチケットを確保して(笑い)。東京ドームまで直接、見に行ったんです!(写真、隣は佐藤駿)!

今永 それはちょうど、僕が登板した日じゃないですか。

三浦 はい! 6回から登板されていましたよね。ただ…。練習を終わってから直で向かったので、お腹が空きすぎて。5回が終わった後、ご飯を買いに行ってしまって、戻った時には今永投手の登板が終わっていました…。「え、もう終わっちゃったの?」ってビックリ。もちろん通路のテレビでは見させてもらいましたが(笑い)。球場にいながら、観客席から応援できなかったことが、いま余計に悔やまれます…。まさか、あの後、こうして憧れの今永投手に会えるとは思っていなかったので。

今永 あの日は球数が少なかったんでね。まあでも、その場にはいたということで、良しとしましょう(笑い)

三浦 ありがとうございます(笑い)。

本文残り71% (3651文字/5121文字)