日本代表MF堂安律(20=フローニンゲン)が、国際Aマッチ初ゴールを挙げた。2-2の後半14分、代名詞の左足でゴール左を射抜いた。

森保監督が兼任する東京五輪世代のエースで、同世代ではA代表初得点一番乗り。日本サッカー界の将来を担う若武者から待望のゴールが生まれた。

成長が詰まった1発だった。同点の後半14分、堂安はゴールに向かった。CKからのこぼれ球を奪って、中央のDF酒井へパス。次の瞬間、ゴール前まで一気に加速した。折り返しのパスを受けると、DFゴディンをかわして左足を振り抜いた。ゴール左に決まる代表初得点。国際Aマッチ3試合目で待望の初ゴールを挙げた。

「勝ち越し点にはならなかったけど、ウルグアイを相手に大事な得点を取れた。一生の思い出に残るゴールになったと思います」

2度目の代表活動で早くも新境地に突入している。「ボールを持っていなくても、サッカーが楽しい。今までにない感覚」。ドリブルで仕掛けてシュートまで持ち込むのが堂安の武器。代表ではMF中島、南野らが突破役をこなすことで、自分がボールを持たない時の動きだしや、駆け引きの楽しみも知った。「走るだけで、自分がなにもせずにいいパスさえくれれば点を取れる感覚がすごくある」。自らの可能性を広げた。

東京五輪の星は昨夏、19歳で下部組織から育ったG大阪を離れてオランダへ渡った。移籍直後は壁にぶち当たった。「最初は下に見られていた。パスが出てこなかったり、ミスしたら俺だけが怒られた」。

状況が一変したのは、試合中のプレーでもゴールでもなく、練習中の何げない“ケンカ”。実戦形式で仲間から激しいタックルを受けた時、家庭教師を付けて学んだ英語を使って猛抗議した。「俺がここに本気でサッカーをしに来たと分かってくれたみたい。監督も含めて」と、周囲から真剣な姿が認められた。

その後の成長は著しかった。まずは走り方を変えた。オランダまで元日本代表FW岡崎らを指導した杉本龍勇氏を呼び、姿勢から改善。「走る時に姿勢を良くすることで視野が広がった」。約1年かけてたたき込み、運動量を増やした。

 チームへの貢献、ゴールへの意識、全てを左右する走り方。G大阪時代からの成長全てが込められた代表初得点。それでも、堂安は満足しない。「まだまだアピールしていかないといけない」。20歳の日の丸物語は始まったばかりだ。