青学アメフト部を支えるマネジャーとトレーナー

　「女子マネジャー」と聞くと、青春ものの映画やドラマ、マンガなどの影響か、特に男性にとっては恋愛対象的なイメージが強いように思う。いわゆる「南ちゃん」だ。しかし「部活」というものに携わったことがない人は、マネジャーが実際どのような仕事をし、どんな思いでいるのか、なかなか知る機会がないためイメージだけというのが本当のところだろう。アメフトも他の競技同様、プレーヤーだけではなく、マネジャーやトレーナーといった、たくさんのスタッフに支えられて成り立っている。今回はアメフトに携わるスタッフたちの仕事と仕事に対する思いを紹介したい。

　私の母校、青山学院大学アメリカンフットボール部のスタッフは現在、マネジャー６人、トレーナー５人の計１１人で全員女性だ。マネジャーとトレーナーの仕事は完全に分業されており、マネジャーは練習も含めたチームの運営を担当し、トレーナーは選手のコンディションを見ることが主な仕事となる。

主審も務める女子マネジャー

　マネジャーの仕事は大きく分けて２つ。１つは選手が練習に集中できる環境をつくるためのグランドワーク。もう１つはチームを運営していくための部費の管理やＯＢ、ＯＧへの活動報告といった事務だ。

【グランドワーク】
・練習中の飲み水の用意
・練習中のビデオ撮影
・ボール拭き
・コーンなど練習で使用する道具の用意
・スクリメージ（実戦形式の練習）での主審・サイドジャッジなど
【事務】
・部費管理
・ＯＢ・ＯＧへの活動報告
・練習試合のセッティング
・ブログの更新など

スクリメージを真剣な表情で見つめる小西さん。計時も行う

　小西祥子さんと森岡智子さん（ともに４年生）は、１年生からマネジャーを続けてきた。はじめたきっかけは「春のオープン戦を見に行って」（小西）「高校のときからアメフトに興味があった」（森岡）と異なるが、４年間続けてこれた理由は「同期やチームのみんなの支えがあったから」と口をそろえる。シーズン中の現在は、選手と同じように週６日グランドに立ち、どのポジションがグランドのどこで練習をするか、次の練習で使う道具の準備はできているか、ビデオの準備はできているか、常に先を考え練習を仕切っている。そしてスクリメージでは、選手が激しくぶつかり合う中に入って主審を務める。かつては、ジャッジを間違えると気の高ぶった選手から怒鳴られ「心臓がひと回り縮む」（小西）思いもしたという。しかし、そういうことがあると後から必ずフォローがあり、今では彼女たちの判断を信用し尊重してくれる環境になっている。「だからこそ、甘えたりせず逆にしっかりプレーを勉強しなければならないし、それが選手と私たちとの信頼関係につながっていくと思うんです」（森岡）。

　マネジャーは、ＯＢ、ＯＧや他校のスタッフなどチーム外の人たちと接する機会も多い。その中でいつも意識をしているのは、外からチームをどう盛り上げていくか。これは「マネジャーにしかできないことだし、だからこそ、自分たちの発想でいろいろなことにチャレンジもできる。でも結果につなげていくことは簡単じゃないです」（小西）と言うように、すぐに形にすることは難しい。しかし、少しでも多くの人に試合に応援に来てもらいたいとの思いから、マネジャー自身が更新するブログを去年６月に開設した。内容は試合結果から新入部員の紹介、部員の誕生日祝いまでさまざまだが、選手目線での情報発信がチームの盛り上げにつながることを期待したい。

（学生トレーナー編に続く）

○青山学院大学ライトニングブログ　http://ameblo.jp/lightning08/