青学大が1度もトップを譲らぬ圧倒的な強さで、往路を連覇した。4区までの3区間で区間賞を獲得しての独走。2分28秒差でタスキを受けた5区の神野大地主将(4年)が、2位との差を3分4秒に広げ5時間25分55秒でゴールした。

 名古屋市の自宅でテレビ観戦した神野の祖母、磯部安江さん(74)が日刊スポーツにコメントを寄せた。

 ケガが続きましたので、最後まで心臓がバクバクして、涙が止まりませんでした。レース後「やったよ」と電話があったので「偉かったよ。おめでとう」と返しました。

 1日に大地から電話がありました。レース前日は初めてで心配でしたが「無事に走るだけでいいよ」と言って切りました。優勝という2文字を口にしなかったことには理由があります。大きな後悔がありました。

 ケガからの復帰戦だった昨年11月の全日本。いつも「ケガがないように」としか言わないわたしですが、地元の名古屋がスタートの大会だったため、つい「優勝ができるといいね」と言ってしまったのです。結果は最終8区で区間8位のブレーキで、チームも優勝を逃しました。

 その日は、自分を責め、朝まで泣き通しで一睡もできませんでした。大地の走りは、わたしの栄養剤。商売(老舗鶏肉店の社長夫人)をやって32年ですが、どんなつらいことがあっても、大地のことを思うとしゃきっとする。それくらい夢を与えてもらっているのに、バカをやったと。だからこそ、今回は絶対に優勝という言葉は使わないと心に決めていたのです。

 普段は「あーちゃん」と呼ばれています。子供のころから優しい子でいつも「体に気をつけて」と気遣ってくれます。大地は春からは社会人になりますが、目標にする東京五輪までは、くたばるわけにはいきません。大地とともにわたしも商売を頑張るつもりです。